はじめに
今回は『徒然草』第137段「花は盛りに」です。『徒然草』については別のページで詳しく説明していますので、そちらをご覧ください。

「花は盛りに」要点・あらすじ・現代語訳
古文を読解する5つのコツをお話しましょう。以下の順に確認していくと以前よりも飛躍的に古文が読めるようになるはずです。
何度も本文を読んでみて(できれば声に出して)、自分なりに文章の内容を想像してみます。特に初めて読むときは、分からない言葉があっても意味調べなどせずに読みます。分からない言葉がある中でも文章の中に「誰がいるか」「どのようなことを言っているか」「どのような行動をしているか」を考えていきます。

簡単でもよいので、誰かに「こんなお話」だと説明できる状態にします。ここでは、合っているかどうかは関係ありません。今の段階で、こんな話じゃないかなと考えられることが大切なのです。考えられたら、実際にこの項目をみてください。自分との違いを確認してみましょう。
古文を読解する上で避けられないのは、「古文単語」を覚えることです。単語集で覚えるのもよいですが、文章の中で覚えられるともっといいですね。文章で出てきた単語は、他の文章でも使えるように解説していますので、応用を利かせたい人はぜひそこまで読んでみてくださいね。また、古文単語は意味だけでなく、その語が発生した経緯などが分かると面白いですよ。
古文を読んでいると、どうしても自力では分からない所がでてきます。ちなみに、教科書などでは注釈がありますが、注釈があるところは注釈で理解して構いません。それ以外のところで、多くの人が詰まるところがありますが、丁寧に解説しているので見てみてください。

step4とstep5は並行して行います。きっと、随分と読めるようになっているはずです。
本文を読む
何度も本文を読んでみて、自分なりに文章の内容を想像してみましょう。特に初めて読むときは、分からない言葉があっても意味調べなどせずに読みます。分からない言葉がある中でも文章の中に「誰がいるか」、「どのようなことを言っているか」、「どのような行動をしているか」を考えていきます。


花は盛りに、月は隈(くま)なきをのみ見るものかは。雨に向かひて月を恋ひ、垂れこめて春の行方知らぬも、なほあはれに情け深し。咲きぬべきほどの梢(こずゑ)、散りしをれたる庭などこそ見所多けれ。歌の詞書(ことばがき)にも、「花見にまかれりけるに、はやく散り過ぎにければ。」とも、「障ることありてまからで。」なども書けるは、「花を見て。」と言へるに劣れることかは。花の散り、月の傾(かたぶ)くを慕ふならひはさることなれど、ことにかたくななる人ぞ、「この枝、かの枝散りにけり。今は見所なし。」などは言ふめる。
よろづのことも、始め終はりこそをかしけれ。男女(をとこをんな)の情けも、ひとへに逢(あ)ひ見るをば言ふものかは。逢はで止(や)みにし憂(う)さを思ひ、あだなる契りをかこち、長き夜をひとり明かし、遠き雲居を思ひやり、浅茅(あさぢ)が宿に昔をしのぶこそ、色好むとは言はめ。
望月(もちづき)の隈なきを千里(ちさと)の外(ほか)まで眺めたるよりも、暁近くなりて待ち出でたるが、いと心深う、青みたるやうにて、深き山の杉の梢に見えたる、木(こ)の間(ま)の影、うちしぐれたる村雲隠れのほど、またなくあはれなり。椎柴(しひしば)、白樫(しらかし)などの濡(ぬ)れたるやうなる葉の上にきらめきたるこそ、身にしみて、心あらん友もがなと、都恋しう覚ゆれ。
(『徒然草』より)
登場人物の確認
今回は、「花は盛りのときばかりを見るものではない」ということの説明になっているので、人物は出てこないわけではありませんが、話の中心ではありません。
お話を簡単に理解(あらすじ)
・花は満開のときだけを、月は満月のときだけを見るものではない
・風流のわからない人は花が散ったものは見どころがないと言ってしまう
・何事においても、(最盛期だけではなく)始めと終わりが趣深い
・男女の恋愛においても、結ばれることだけが色好みではない
・様々な場面における満月の光が趣深く、身にしみて友と共有したいと思う

ここはいわゆる「お話」ではないので、筆者の考えや要点のみを挙げています。
各文の品詞分解について
一文ごとの品詞分解と現代語訳は、別のページに掲載しています。ぜひそちらもご覧ください。
重要単語の確認
本文に出てくる重要古文単語を先に確認しておきましょう。(なんと、17語もあります!あまりに多いので、通し番号をつけておきます。)
花は盛りに、月は(1)隈なきをのみ見るものかは。雨に向かひて月を恋ひ、垂れこめて春の行方知らぬも、(2)なほ (3)あはれに (4)情け深し。咲きぬべきほどの梢、散りしをれたる庭などこそ見所多けれ。歌の詞書にも、「花見に(5)まかれりけるに、(6)はやく散り過ぎにければ。」とも、「(7)障ることありてまからで。」なども書けるは、「花を見て。」と言へるに劣れることかは。花の散り、月の傾くを慕ふならひは(8)さることなれど、ことに(9)かたくななる人ぞ、「この枝、かの枝散りにけり。今は見所なし。」などは言ふめる。
よろづのことも、始め終はりこそをかしけれ。男女の情けも、ひとへに逢ひ見るをば言ふものかは。逢はで止みにし憂さを思ひ、(10)あだなる (11)契りを(12)かこち、長き夜をひとり明かし、遠き(13)雲居を思ひやり、浅茅が宿に昔をしのぶこそ、色好むとは言はめ。
(14)望月の隈なきを千里の外まで眺めたるよりも、暁近くなりて待ち出でたるが、いと心深う、青みたるやうにて、深き山の杉の梢に見えたる、木の間の(15)影、うちしぐれたる村雲隠れのほど、(16)またなくあはれなり。椎柴、白樫などの濡れたるやうなる葉の上にきらめきたるこそ、身にしみて、(17)心あらん友もがなと、都恋しう覚ゆれ。
理解しにくい箇所の解説を見る
本文を読んで自分で内容を考えていったときに、おそらく以下の箇所が理解しにくいと感じたでしょう。その部分を詳しく説明します。解説を読んで、理解ができたら改めて本文を解釈してみてください。
- 花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは
- なほあはれに情け深し
- 咲きぬべきほどの梢
- 花見にまかれりけるに、はやく散り過ぎにければ、
- あだなる契りをかこち
- 心あらん友もがなと、都恋しう覚ゆれ
おわりに
テスト対策へ
今回は、『徒然草』の「花は盛りに」についてお話しました。今度はテスト対策編もご覧ください。
『徒然草』は他にも面白い文章がたくさん出てきます。できれば、「ビギナーズ・クラシックス」などで、他の文章にも触れてもらいたいですね。他にも解説してほしい、テスト対策としてまとめてほしいという文章があれば以下からご連絡ください。(以下からも購入することができます)
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