「若紫」(小柴垣のもと)テスト対策〈第一回〉
「若紫」(小柴垣のもと)において、テストに出そうな内容にできるだけ絞ってお話しましょう。テスト対策は次のような流れで行うとよいでしょう。このサイトは下記の流れで解説をしています。
テスト直前でもすべきことの基本は、「本文を読むこと」です。これまで学習した内容をしっかり思い出しながら読みましょう。
古文の問一は「よみ」の問題であることが多いですね。出題されるものは決まっているので、ここで落とさないように、しっかり確認しておくことです。
「どのような話」か、簡単に説明できる状態にしましょう。
ここでのメインになります。古文はどうしても「知識」を問う必要があるので、問われる箇所は決まってきます。それならば、「よく問われる」出題ポイントに絞って学習すれば、大きな失点は防げそうですね。このサイトでは「よく問われる」箇所のみを説明していますので、じっくり読んでみてください。
いわゆる「文学史」の問題です。テスト対策としては、それほど大きな点数にはならないのですが、確実に得点したいところです。
本文読解の一問一答を解答し、古典文法の問題を解答します。古典文法の問題は必ず出題されます。それは、直接「動詞の活用」や「助動詞の意味」を問うような問題だけでなく、現代語訳や解釈の問題などでも出題されます。必ず問題を解いて、できるようになっておきましょう。このサイトは文法事項の説明も充実しているので、詳しく知りたいときは、ぜひそれぞれの項目に進んで学習してみてください。
本文の確認〈第一回〉
テスト直前でもすべきことの基本は、「本文を読むこと」です。これまで学習した内容をしっかり思い出しながら読みましょう。「テスト対策」はあえてふりがなをつけていません。不安な場合は、「読解のコツ」の「本文を読む」で確認してみてください。
日もいと長きに、つれづれなれば、夕暮れのいたう霞みたるに紛れて、かの小柴垣のもとに立ち出で給ふ。人々は帰し給ひて、惟光の朝臣とのぞき給へば、ただこの西面にしも、持仏据ゑ奉りて行ふ、尼なりけり。簾少し上げて、花奉るめり。中の柱に寄りゐて、脇息の上に経を置きて、いとなやましげに読みゐたる尼君、ただ人と見えず。四十余ばかりにて、いと白うあてに、痩せたれど、つらつきふくらかに、まみのほど、髪のうつくしげにそがれたる末も、なかなか長きよりもこよなう今めかしきものかなとあはれに見給ふ。
きよげなる大人二人ばかり、さては童べぞ出で入り遊ぶ。中に、十ばかりにやあらむと見えて、白き衣、山吹などの萎えたる着て走り来たる女子、あまた見えつる子どもに似るべうもあらず、いみじく生ひ先見えてうつくしげなる容貌なり。髪は、扇を広げたるやうにゆらゆらとして、顔は、いと赤くすりなして立てり。「何事ぞや。童べと腹立ち給へるか。」とて尼君の見上げたるに、少しおぼえたるところあれば、子なめりと見給ふ。
(『源氏物語』より)
読みで問われやすい語〈第一回〉
青線部の読みができるようになっておきましょう。
・かの小柴垣のもとに立ち出で給ふ
・惟光の朝臣とのぞき給へば、
・ただこの西面にしも、
・簾少し上げて、
・脇息の上に経を置きて、
・四十余ばかりにて、
・さては童べぞ出で入り遊ぶ。
・うつくしげなる容貌なり。
解答はこちら(タップで表示)
「小柴垣」は「こしばがき」、「朝臣」は「あそん(あそみ)」、「西面」は「にしおもて」、「簾」は「すだれ」、「脇息」は「きょうそく」、「四十」は「よそじ」、「童べ」は「わらわべ」、「容貌」は「かたち」です。今回は問われそうな語が多いですね。
あらすじの確認〈第一回〉
・夕暮れの霞んでいるのに紛れて、源氏たちは(僧都の家の)小柴垣のもとに行く
・他の家来たちは返して、惟光と家の中をのぞく
・家の中には、並の身分でないような四十歳くらいの髪を綺麗に削いだ尼がお経を読んでいる
・小綺麗な年配の女性が二人と、他に庭で遊んでいる子どもたちがいる
・その中に10歳くらいの、他の子とは比べ物にならないほどの、かわいらしい子がいる
・その女の子は、泣いている所を尼君になだめられている
・源氏は尼君の顔を見て、二人が似ているので親子ではないかと思う
出題ポイント〈第一回〉
以下の5項目が何も見ずに訳すことができるか。確認してください。
- ただこの西面にしも、持仏据ゑ奉りて行ふ、尼なりけり
- 髪のうつくしげにそがれたる末
- なかなか長きよりもこよなう今めかしきものかな
- いみじく生ひ先見えてうつくしげなる容貌なり
- 少しおぼえたるところあれば、子なめりと見給ふ
文学作品・文学史の確認
『源氏物語』は、日本最高峰の古典文学です。別ページに詳しくまとめていますので、そちらをぜひご覧ください。『源氏物語』特徴を簡単にまとめたものは、以下に示しておきます。


練習問題(一問一答&文法問題)〈第一回〉
「若紫」(小柴垣のもと)テスト対策〈第二回〉
続いて、「若紫」(小柴垣のもと)の若紫登場の場面において、テストに出そうな内容にできるだけ絞ってお話しましょう。
本文の確認〈第二回〉
テスト直前でもすべきことの基本は、「本文を読むこと」です。これまで学習した内容をしっかり思い出しながら読みましょう。「テスト対策」はあえてふりがなをつけていません。不安な場合は、「読解のコツ」の「本文を読む」で確認してみてください。
「雀の子を犬君が逃がしつる。伏籠の内にこめたりつるものを。」とて、いと口惜しと思へり。このゐたる大人、「例の、心なしのかかるわざをしてさいなまるるこそ、いと心づきなけれ。いづ方へかまかりぬる。いとをかしうやうやうなりつるものを。烏などもこそ見つくれ。」とて立ちて行く。髪ゆるるかにいと長く、めやすき人なめり。少納言の乳母とぞ人言ふめるは、この子の後見なるべし。
尼君、「いで、あな幼や。言ふかひなうものし給ふかな。おのがかく今日明日におぼゆる命をば何とも思したらで、雀慕ひ給ふほどよ。罪得ることぞと常に聞こゆるを、心憂く。」とて、「こちや。」と言へば、ついゐたり。つらつきいとらうたげにて、眉のわたりうちけぶり、いはけなくかいやりたる額つき、髪ざし、いみじううつくし。ねびゆかむさまゆかしき人かなと目とまり給ふ。さるは、限りなう心を尽くし聞こゆる人にいとよう似奉れるが、まもらるるなりけりと思ふにも涙ぞ落つる。(『源氏物語』より)
本文はこの後も続きます。続き(第三回・第四回)は以下の記事をご覧ください。
読みで問われやすい語〈第二回〉
青線部の読みができるようになっておきましょう。
・伏籠の内にこめたりつるものを。
・少納言の乳母とぞ人言ふめるは、この子の後見なるべし。
・罪得ることぞと常に聞こゆるを、心憂く。
解答はこちら(タップで表示)
「伏籠」は「ふせご」、「乳母」は「めのと」、「後見」は「うしろみ」、「得(る)」は「う(る)」、「心憂(く)」は「こころう(く)」です。なお、すべて現代仮名遣いで示しています。
あらすじの確認〈第二回〉
・女の子は犬君が雀の子が逃がしたことを残念に思う
・大人の女房は、居抜きを叱りつけ、雀の行方を心配する
・大人の女房が「少納言の乳母」という人だと説明がある
・尼君が、女の子の幼い行動を叱り、生き物を捉える罪深さを訴える
・女の子の見た目も美しさの説明がある
・源氏は、女の子の行く末を見てみたいと思う
・一方で、源氏は女の子に藤壺の女御の面影を重ねて見る
※藤壺の宮は、源氏の義母です。「源氏物語あらすじ」に流れが分かる記述がありますので、以下をタップしてご覧ください。
出題ポイント〈第二回〉
以下の5項目が何も見ずに訳すことができるか。確認してください。理解ができたら改めて本文を解釈してみてください。
- 例の、心なしの、かかるわざをしてさいなまるるこそ、いと心づきなけれ
- 烏などもこそ見つくれ
- 言ふかひなうものし給ふかな
- ねびゆかむさまゆかしき人かな
- さるは、限りなう心を尽くし聞こゆる人にいとよう似奉れるが、まもらるるなりけり
練習問題(一問一答&文法問題)〈第二回〉
では、上記の内容が本当に理解できたか、実際に問題を解きながら確認してみましょう。
おわりに
今回は『源氏物語』若紫の巻「小柴垣のもと」の第一回・第二回部分を復習しました。続きは第三回・第四回になります。続きは以下をご覧ください。
文章は光源氏が若紫を見ているシーンが続いています。しかし、これは長い長い『源氏物語』のほんの冒頭の一部分なのです。これから先、いろいろな部分を読んでいくことになると思いますが、『源氏物語』のイメージを知るためにも、マンガで理解する「あさきゆめみし」や、『源氏物語』あらすじなどを読んでもらいたいと思います
読んでいただきありがとうございます!
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