「筒井筒」テスト対策〈第一回〉
それでは、今回の「筒井筒」において、テストに出そうな内容にできるだけ絞ってお話します。テスト対策は次のような流れで行うとよいでしょう。このサイトは下記の流れで解説をしています。
テスト直前でもすべきことの基本は、「本文を読むこと」です。これまで学習した内容をしっかり思い出しながら読みましょう。
古文の問一は「よみ」の問題であることが多いですね。出題されるものは決まっているので、ここで落とさないように、しっかり確認しておくことです。
「どのような話」か、簡単に説明できる状態にしましょう。
ここでのメインになります。古文はどうしても「知識」を問う必要があるので、問われる箇所は決まってきます。それならば、「よく問われる」出題ポイントに絞って学習すれば、大きな失点は防げそうですね。このサイトでは「よく問われる」箇所のみを説明していますので、じっくり読んでみてください。
いわゆる「文学史」の問題です。テスト対策としては、それほど大きな点数にはならないのですが、確実に得点したいところです。
本文読解の一問一答を解答し、古典文法の問題を解答します。古典文法の問題は必ず出題されます。それは、直接「動詞の活用」や「助動詞の意味」を問うような問題だけでなく、現代語訳や解釈の問題などでも出題されます。必ず問題を解いて、できるようになっておきましょう。このサイトは文法事項の説明も充実しているので、詳しく知りたいときは、ぜひそれぞれの項目に進んで学習してみてください。
本文の確認〈第一回〉
テスト直前でもすべきことの基本は、「本文を読むこと」です。
「テスト対策」はあえてふりがなをつけていません。不安な場合は、「読解のコツ」の「本文を読む」で確認してみてください。
昔、田舎わたらひしける人の子ども、井のもとに出でて遊びけるを、大人になりにければ、男も女も、恥ぢかはしてありけれど、男はこの女をこそ得めと思ふ。女はこの男をと思ひつつ、親のあはすれども、聞かでなむありける。さて、この隣の男のもとより、かくなむ。
筒井筒井筒にかけしまろがたけ過ぎにけらしな妹見ざるまに
女、返し、
くらべこし振り分け髪も肩過ぎぬ君ならずしてたれか上ぐべき
など言ひ言ひて、つひに本意のごとくあひにけり。
(『伊勢物語』より)
読みで問われやすい語〈第一回〉
青線部の読みができるようになっておきましょう。
- 筒井筒井筒にかけしまろがたけ過ぎにけらしな妹見ざるまに
- つひに本意のごとくあひにけり。
解答はこちら(タップで表示)
「妹」「本意」はそれぞれ「いも」「ほい」と答えるのが無難でしょう。「本意」は撥音便の無表記と考えて「ほんい」と読んでもよいのですが、出題者によっては不可とする危険性もあります。
あらすじの確認〈第一回〉
- 昔、田舎暮らしをしていた人の子どもたちが井戸の近くで遊んでいた
- その中の男の子と女の子が成人した後に、お互いに結婚したいと思っている
- 二人は大人になって、遊ばなくなったが思いは変わらない
- 女の親は、別の男と結婚させようとするが、女は言うことを聞かない
- 男のもとから女のもとへ和歌が送られる
- 女も男へ返歌する
- 二人は結ばれる
出題ポイント〈第一回〉
以下の4項目が何も見ずに訳すことができるか。確認してください。
- 親のあはすれども、聞かでなむありける
- (和歌)筒井筒井筒にかけしまろがたけ過ぎにけらしな妹見ざるまに
- (和歌)くらべこし振り分け髪も肩過ぎぬ君ならずしてたれか上ぐべき
- 本意のごとくあひにけり
文学作品・文学史の確認
『伊勢物語』は、十世紀(平安時代中期)に成立した、ジャンルとしては「歌物語」に位置づけされます。「歌物語」というのは、文字通りお話の中に「和歌」が含まれるものということですが、「作り物語」と異なるのは「和歌」を中心としてお話が作られていることが特徴だということです。
文章は一つ一つのお話が短く、「昔、男〜」で始まることが多いのが特徴です。この「男」は在原業平がモデルであると考えられ、この男の人生を描いたような形をとっています。他の作品に「在五中将の日記」「在五が物語」などと書かれています。「在五」とは在原業平のことを指すので、在原業平がモデルだと言われるのです。在原業平は色男で有名なので、『伊勢物語』は色恋沙汰の話が多いと思っていたらよいでしょう。ついでに、「歌物語」をまとめたものを以下に示します。

練習問題(一問一答&文法問題)〈第一回〉
では、上記の内容が本当に理解できたか、実際に問題を解きながら確認してみましょう。
「筒井筒」テスト対策〈第二回〉
「第一回」は、子ども時代に一緒に遊んでいた男女が成人し、夫婦になったお話でしたね。続いて、今回の「筒井筒」(第二回)において、テストに出そうな内容にできるだけ絞ってお話します。
本文の確認〈第二回〉
男はなぜ高安の女のもとへ行ったの?送り出されたときの男の気持ちは?
そんなことを考えながら、読んでみてください。
「テスト対策」はあえてふりがなをつけていません。不安な場合は、「読解のコツ」の「本文を読む」で確認してください。
さて、年ごろ経ふるほどに、女、親なく、頼りなくなるままに、もろともにいふかひなくてあらむやはとて、河内の国、高安の郡に、行き通ふ所出で来にけり。さりけれど、このもとの女、悪しと思へるけしきもなくて、出だしやりければ、男、異心ありてかかるにやあらむと思ひ疑ひて、前栽の中に隠れゐて、河内へいぬる顔にて見れば、この女、いとよう化粧じて、うちながめて、
風吹けば沖つ白波たつた山夜半にや君がひとり越ゆらむ
とよみけるを聞きて、限りなくかなしと思ひて、河内へも行かずなりにけり。
(『伊勢物語』より)
読みで問われやすい語〈第二回〉
青線部の読みができるようになっておきましょう。
- 河内の国、高安の郡に、行き通ふ所出で来にけり。
- 男、異心ありてかかるにやあらむと思ひ疑ひて、
- 前栽の中に隠れゐて、
- 風吹けば沖つ白波たつた山夜半にや君がひとり越ゆらむ
解答はこちら(タップで表示)
「郡」は「こおり」、「異心」は「ことごころ」、「前栽」は「せんざい」、「夜半」は「よわ」です。現代仮名遣いで示しています。特に、「前栽」は必出です!
あらすじの確認〈第二回〉
・結婚後何年か経った後、妻の親が亡くなり、生活が苦しくなる
・共倒れになるわけにはいかず、男は河内の国の高安の女のもとへ通う
・妻は夫を送り出すときに嫌な素振りを見せない
・夫は妻の浮気を疑って、妻の様子をうかがう
・妻は夫の旅路を心配する和歌を詠む
・夫は妻が愛しくなり、河内の女のもとへ通わなくなる
出題ポイント〈第二回〉
以下の項目が何も見ずに訳すことができるか確認してください。
- 親なく、頼りなくなるままに
- もろともにいふかひなくてあらむやは
- 異心ありてかかるにやあらむ
- いとよう化粧じて、うちながめて
- 風吹けば沖つ白波たつた山夜半にや君がひとり越ゆらむ
- 限りなくかなしと思ひて
練習問題(一問一答&文法問題)〈第二回〉
では、上記の内容が本当に理解できたか、実際に問題を解きながら確認してみましょう。
「筒井筒」テスト対策〈第三回〉
「第二回」は夫婦の危機を和歌一つで解決したお話でしたね。続いて、今回の「筒井筒」(第三回)において、テストに出そうな内容にできるだけ絞ってお話します。
本文の確認〈第三回〉
高安の女の行動と男が何に幻滅したのか。そんなことを思い出しながら読んでみてください。「テスト対策」はあえてふりがなをつけていません。不安な場合は、「読解のコツ」の「本文を読む」で確認してください。
まれまれかの高安に来て見れば、はじめこそ心にくくもつくりけれ、今はうちとけて、手づからいひがひ取りて、けこのうつは物に盛りけるを見て、心うがりて行かずなりにけり。さりければ、かの女、大和の方を見やりて、
君があたり見つつを居らむ生駒山雲なかくしそ雨は降るとも
と言ひて見出だすに、からうじて、大和人「来む。」と言へり。よろこびて待つに、たびたび過ぎぬれば、
君来むと言ひし夜ごとに過ぎぬれば頼まぬものの恋ひつつぞふる
と言ひけれど、男住まずなりにけり。
(『伊勢物語』より)
読みで問われやすい語〈第三回〉
「大和」「生駒」くらいです。「やまと」「いこま」ですが、地名なので出題率は低いでしょう。
あらすじの確認〈第三回〉
・男はごくたまに高安の女のもとへ行く
・高安の女は始めこそ奥ゆかしくふるまうが、だんだんと打ち解けて、自分の手でしゃもじをとってご飯を盛る
・その様子に男はがっかりして、また通わなくなる
・そこで高安の女は大和の国を見て歌を送る
・男は「(高安の女のもとへ)行こう」というが、時間だけが過ぎる
・高安の女は改めて歌を送る
・男は通わなくなった
出題ポイント〈第三回〉
以下の項目が何も見ずに訳すことができるか確認してください。
・はじめこそ心にくくもつくりけれ、
・君があたり見つつを居らむ生駒山雲なかくしそ雨は降るとも
・君来むと言ひし夜ごとに過ぎぬれば頼まぬものの恋ひつつぞふる
練習問題(一問一答&文法問題)〈第三回〉
では、上記の内容が本当に理解できたか、実際に問題を解きながら確認してみましょう。
おわりに
以上で「筒井筒」の解説を終わります。子ども時代一緒に遊んでいた二人が結ばれ、生活の苦しさから男が河内の高安の女のもとへ通うようになりますが、妻の一途な想いに触れて男は元の妻のもとへ戻ります。しかし、高安の女には結局惹かれなかったという結末でした。元の妻と比較すると、風流さで見劣りがしたのでしょうね。当時の貴族社会では、それほど「風流」というものが大きな要素だったのだと思われます。現代の私達も、人との相性を考えるとき、ちょっとした仕草で分かることがあるのかもしれません。古典にはこのように人間味あふれる文章がたくさんあります。ぜひ様々な文章に触れてみてください。
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