「花山天皇の出家」(花山院の出家)『大鏡』テスト対策〈第1回〉
「花山天皇の出家」(花山院の出家)の前半部において、テストに出そうな内容にできるだけ絞ってお話しましょう。テスト対策は次のような流れで行うとよいでしょう。このサイトは下記の流れで解説をしています。
テスト直前でもすべきことの基本は、「本文を読むこと」です。これまで学習した内容をしっかり思い出しながら読みましょう。
古文の問一は「よみ」の問題であることが多いですね。出題されるものは決まっているので、ここで落とさないように、しっかり確認しておくことです。
「どのような話」か、簡単に説明できる状態にしましょう。
ここでのメインになります。古文はどうしても「知識」を問う必要があるので、問われる箇所は決まってきます。それならば、「よく問われる」出題ポイントに絞って学習すれば、大きな失点は防げそうですね。このサイトでは「よく問われる」箇所のみを説明していますので、じっくり読んでみてください。
いわゆる「文学史」の問題です。テスト対策としては、それほど大きな点数にはならないのですが、確実に得点したいところです。
本文読解の一問一答を解答し、古典文法の問題を解答します。文法の問題は必ず出題されます。それは、直接「動詞の活用」や「助動詞の意味」を問うような問題だけでなく、現代語訳や解釈の問題などでも出題されます。必ず問題を解いて、できるようになっておきましょう。このサイトは文法事項の説明も充実しているので、詳しく知りたいときは、ぜひそれぞれの項目に進んで学習してみてください。
本文の確認
テスト直前でもすべきことの基本は、「本文を読むこと」です。これまで学習した内容をしっかり思い出しながら読みましょう。「テスト対策」はあえてふりがなをつけていません。不安な場合は、「読解のコツ」の「本文を読む」で確認してみてください。
次の帝、花山院の天皇と申しき。冷泉院第一の皇子なり。御母、贈皇后宮懐子と申す。
永観二年八月二十八日、位につかせ給ふ、御年十七。寛和二年丙戌六月二十二日の夜、あさましく候ひしことは、人にも知らせさせ給はで、みそかに花山寺におはしまして、御出家入道せさせ給へりしこそ。御年十九。世を保たせ給ふこと二年。そののち二十二年おはしましき。
あはれなることは、おりおはしましける夜は、藤壺の上の御局の小戸より出でさせ給ひけるに、有明の月のいみじく明かかりければ、「顕証にこそありけれ。いかがすべからむ。」と仰せられけるを、「さりとて、とまらせ給ふべきやう侍らず。神璽・宝剣渡り給ひぬるには。」と、粟田殿のさわがし申し給ひけるは、まだ帝出でさせおはしまさざりける先に、手づから取りて、春宮の御方に渡し奉り給ひてければ、帰り入らせ給はむことはあるまじく思して、しか申させ給ひけるとぞ。
さやけき影をまばゆく思し召しつるほどに、月の顔にむら雲のかかりて、少し暗がりゆきければ、「わが出家は成就するなりけり。」と仰せられて、歩み出でさせ給ふほどに、弘徽殿の女御の御文の、日ごろ破り残して御身も放たず御覧じけるを思し召し出でて、「しばし。」とて、取りに入りおはしましけるほどぞかし、粟田殿の、「いかにかくは思し召しならせおはしましぬるぞ。ただ今過ぎば、おのづから障りも出でまうで来なむ。」と、そら泣きし給ひけるは。
(『大鏡』より)
読みで問われやすい語
青線部の読みができるようになっておきましょう。
- 御出家入道せさせ給へりしこそ
- 藤壺の上の御局の小戸
- 有明の月のいみじく明かかりければ
- 顕証にこそありけれ
- 粟田殿のさわがし申し給ひけるは
- 春宮の御方に渡し奉り給ひてければ
- わが出家は成就するなりけり。
- 弘徽殿の女御の御文の
- 日ごろ破り残して御身も放たず
- おのづから障りも出でまうで来なむ
解答はこちら(タップで表示)
「出家」は「すけ」、「御局」は「みつぼね」、「有明」は「ありあけ」、「顕証」は「けんしょう」、「粟田殿」は「あわたどの」、「春宮」は「とうぐう」、「成就」は「じょうじゅ」、「弘徽殿」は「こきでん」、「破(り)」は「や(り)」、「障(り)」は「さわ(り)」です。現代仮名遣いで解答は載せています。
あらすじの確認
・花山院の紹介
・帝(花山天皇)は花山寺に向かう日の夜、外が月夜で明るいので、外に出ることを渋る
・粟田殿(藤原道兼)はもう止めることはできないと出発を促す
・月に雲がかかって、帝は出発をしようとする
・帝は弘徽殿の女御(忯子)の手紙を置いてきたことを思い出して宮中に戻ろうとする
・粟田殿は、うそ泣きをして、宮中に戻らずに出発することを強く促す
花山天皇が、出家してしまうお話です。花山天皇は、最愛の妻(女御)である忯子(しし・よしこ)が亡くなってしまったショックで、つきっきりで慰めてくれた藤原道兼を信じて、ともに出家をしようと東山の花山寺へ向かい、実際に出家をしてしまいます。ただし、道兼は直前で逃げ帰ってしまいます。
出題ポイント
以下の5項目(+1)が何も見ずに訳すことができるか。確認してください。
- 顕証にこそありけれ
- とまらせ給ふべきやう侍らず。神璽・宝剣渡り給ひぬるには。
- 手づから取りて、春宮の御方に渡し奉り給ひてければ、
- (「渡り給ひぬる」と「渡し奉り給ひてけれ」から読み取れる話者の意図)
- さやけき影をまばゆく思し召しつるほどに
- 「ただ今過ぎば、おのづから障りも出でまうで来なむ」とそら泣きし給ひけるは。
文学史・文学作品の確認
今回の「花山天皇の出家」(花山院の出家)は『大鏡』の一節です。『大鏡』は別ページで詳しく解説しているので、そちらをご覧ください。ここは要点だけを板書で上げておきます。


練習問題(一問一答&文法問題)〈第1回〉
では、上記の内容が本当に理解できたか、実際に問題を解きながら確認してみましょう。
「花山天皇の出家」(花山院の出家)『大鏡』テスト対策〈第2回〉
「花山天皇の出家」(花山院の出家)の後半部において、テストに出そうな内容にできるだけ絞ってお話しましょう。テスト対策は次のような流れで行うとよいでしょう。このサイトは下記の流れで解説をしています。
テスト直前でもすべきことの基本は、「本文を読むこと」です。これまで学習した内容をしっかり思い出しながら読みましょう。
古文の問一は「よみ」の問題であることが多いですね。出題されるものは決まっているので、ここで落とさないように、しっかり確認しておくことです。
「どのような話」か、簡単に説明できる状態にしましょう。
ここでのメインになります。古文はどうしても「知識」を問う必要があるので、問われる箇所は決まってきます。それならば、「よく問われる」出題ポイントに絞って学習すれば、大きな失点は防げそうですね。このサイトでは「よく問われる」箇所のみを説明していますので、じっくり読んでみてください。
いわゆる「文学史」の問題です。テスト対策としては、それほど大きな点数にはならないのですが、確実に得点したいところです。
本文読解の一問一答を解答し、古典文法の問題を解答します。文法の問題は必ず出題されます。それは、直接「動詞の活用」や「助動詞の意味」を問うような問題だけでなく、現代語訳や解釈の問題などでも出題されます。必ず問題を解いて、できるようになっておきましょう。このサイトは文法事項の説明も充実しているので、詳しく知りたいときは、ぜひそれぞれの項目に進んで学習してみてください。
本文の確認
テスト直前でもすべきことの基本は、「本文を読むこと」です。これまで学習した内容をしっかり思い出しながら読みましょう。「テスト対策」はあえてふりがなをつけていません。不安な場合は、「読解のコツ」の「本文を読む」で確認してみてください。
さて、土御門より東ざまに率て出だし参らせ給ふに、晴明が家の前を渡らせ給へば、自らの声にて、手をおびたたしく、はたはたと打ちて、「帝王おりさせ給ふと見ゆる天変ありつるが、すでになりにけりと見ゆるかな。参りて奏せむ。車に装束とうせよ。」と言ふ声、聞かせ給ひけむ、さりともあはれには思し召しけむかし。「かつがつ、式神一人、内裏に参れ。」と申しければ、目には見えぬものの、戸を押しあけて、御後ろをや見参らせけむ、「ただ今、これより過ぎさせおはしますめり。」といらへけるとかや。その家、土御門町口なれば、御道なりけり。
花山寺におはしまし着きて、御髪おろさせ給ひてのちにぞ、粟田殿は、「まかり出でて、大臣にも、変はらぬ姿いま一度見え、かくと案内申して、必ず参り侍らむ。」と申し給ひければ、「朕をば謀るなりけり。」とてこそ泣かせ給ひけれ。あはれに悲しきことなりな。日ごろ、よく、「御弟子にて候はむ。」と契りて、すかし申し給ひけむが恐ろしさよ。
東三条殿は、もしさることやし給ふと危ふさに、さるべくおとなしき人々、なにがしかがしといふいみじき源氏の武者たちをこそ、御送りに添へられたりけれ。京のほどは隠れて、堤の辺よりぞうち出で参りける。寺などにては、もし、おして人などやなし奉るとて、一尺ばかりの刀どもを抜きかけてぞまもり申しける。
(『大鏡』より)
読みで問われやすい語
青線部の読みができるようになっておきましょう。
・土御門より東ざまに率て出だし参らせ給ふに、
・参りて奏せむ。車に装束とうせよ。
・かつがつ、式神一人、内裏に参れ。
・御髪おろさせ給ひてのちにぞ、
・大臣にも、変はらぬ姿いま一度見え、
・かくと案内申して、必ず参り侍らむ。
解答はこちら(タップで表示)
「土御門」は「つちみかど」、「奏(せ)」は「そう(せ)」、「装束」は「そうぞく」、「内裏」は「うち」、「御髪」は「みぐし」、「大臣」は「おとど」、「案内」は「あない」です。他の読み方でも正解になる場合がありますが、これで覚えておいた方が無難でしょう。なお、すべて現代仮名遣いで示しています。
あらすじの確認
・帝一行は宮中から出て、安倍清明の家の前を通る
・安倍晴明は帝が退位することを天変で知り、宮中に向かおうとする
・安倍晴明は式神を宮中に向かわせるが、たった今帝が通り過ぎたと報告を受ける
・花山寺に到着した帝は出家なさる
・粟田殿は、一度退出してまた帰って来ると伝える
・このとき、やっと花山天皇は自分がだまされたことを知って、涙する
・粟田殿の父親(東三条殿=兼家)は、もしものときに備えて分別のある者や武者を護衛に付けて、粟田殿を出家させないようにしていた
出題ポイント
以下の5項目が何も見ずに訳すことができるか。確認してください。理解ができたら改めて本文を解釈してみてください。
- 清明が家の前を渡らせ給へば、
- すでになりにけりと見ゆるかな。参りて奏せむ。
- さりともあはれには思し召しけむかし。
- かくと案内申して必ず参り侍らむ。
- もしさることやし給うふと危ふさに、さるべくおとなしき人々〜、御送りに添へられたりけれ。
練習問題(一問一答&文法問題)〈第2回〉
では、上記の内容が本当に理解できたか、実際に問題を解きながら確認してみましょう。
おわりに
今回は「花山天皇の出家」の後半部を読んでいきました。『大鏡』は全体が会話文であるなど、ふつうの文章とは異なる形式で戸惑うこともありますが、文章自体は非常に読みやすく、内容もつかみやすいものが多いです。できれば、多くの文章に触れておきたいですね。
読んでいただきありがとうございます!
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