「うつろひたる菊」(町の小路の女)『蜻蛉日記』テスト対策《完全版》

「テスト対策」では文章全体の細かい現代語訳などは載せていません。現代語訳や丁寧な文章の解説などは、以下の「読解のコツ」をタップしてご覧ください。
また、出題ポイントがまとまっている板書パネルは「読解のコツ」にありますので、興味がある人はそちらもご覧ください。

目次

「うつろひたる菊」(町の小路の女・なげきつつひとり寝る夜)テスト対策〈第1回〉

「うつろひたる菊」の前半部において、テストに出そうな内容にできるだけ絞ってお話しましょう。テスト対策は次のような流れで行うとよいでしょう。このサイトは下記の流れで解説をしています。

STEP
本文を確認する

テスト直前でもすべきことの基本は、「本文を読むこと」です。これまで学習した内容をしっかり思い出しながら読みましょう。

STEP
読みで問われやすい語を確認する

古文の問一は「よみ」の問題であることが多いですね。出題されるものは決まっているので、ここで落とさないように、しっかり確認しておくことです。

STEP
あらすじを確認する

「どのような話」か、簡単に説明できる状態にしましょう。

STEP
出題ポイントを確認する

ここでのメインになります。古文はどうしても「知識」を問う必要があるので、問われる箇所は決まってきます。それならば、「よく問われる」出題ポイントに絞って学習すれば、大きな失点は防げそうですね。このサイトでは「よく問われる」箇所のみを説明していますので、じっくり読んでみてください。

STEP
出典について確認する

いわゆる「文学史」の問題です。テスト対策としては、それほど大きな点数にはならないのですが、確実に得点したいところです。

STEP
問題演習をする

本文読解の一問一答を解答し、古典文法の問題を解答します。文法の問題は必ず出題されます。それは、直接「動詞の活用」や「助動詞の意味」を問うような問題だけでなく、現代語訳や解釈の問題などでも出題されます。必ず問題を解いて、できるようになっておきましょう。このサイトは文法事項の説明も充実しているので、詳しく知りたいときは、ぜひそれぞれの項目に進んで学習してみてください。

本文の確認

テスト直前でもすべきことの基本は、「本文を読むこと」です。これまで学習した内容をしっかり思い出しながら読みましょう。「テスト対策」はあえてふりがなをつけていません。不安な場合は、「読解のコツ」の「本文を読む」で確認してみてください。

さて九月ばかりになりて、出でにたるほどに、箱のあるを手まさぐりに開けて見れば、人のもとにやらむとしける文あり。あさましさに、見てけりとだに知られむと思ひて、書きつく。
疑はしほかに渡せるふみ見ればここやとだえにならむとすらむ
など思ふほどに、むべなう、十月つごもりがたに三夜しきりて見えぬときあり。つれなうて、「しばし試みるほどに。」など、けしきあり。
これより、夕さりつかた、「内にのがるまじかりけり。」とて出づるに、心得で、人をつけて見すれば、「町の小路なるそこそこになむ、とまり給ひぬる。」とて、来たり。さればよといみじう心憂しと思へども、言はむやうも知らであるほどに、二、三日ばかりありて、暁がたに門をたたくときあり。さなめりと思ふに、憂くて、開けさせねば、例の家とおぼしき所にものしたり。

(『蜻蛉日記』より)

読みで問われやすい語

青線部の読みができるようになっておきましょう。

  • さて九月ばかりになりて、
  • 人のもとにやらむとしけるあり。
  • 十月つごもりがたに三夜しきりて見えぬときあり。
  • 心得で、人をつけて見すれば、
  • さればよといみじう心憂しと思へども、
  • がたに門をたたくときあり。
解答はこちら(タップで表示)

「九月」は「ながつき」、「文」は「ふみ」、「十月」は「かんなづき」、「心得」は「こころえ」、「心憂し」は「こころうし」、「暁」は「あかつき」、すべて現代仮名遣いで示しています。

あらすじの確認

  • 9月、兼家が出ていった時に、文箱があるのを見つける
  • 何の気なしに開けてみると、他の女へ送る手紙だった
  • 見たことだけでも知られたいと思い和歌を書きつける
  • 10月末に、三夜続けて通いがない時があった
  • 兼家はあなたの気持ちを試していたなどという
  • 夕方に宮中に行かなければならないといって兼家が出る
  • 人をつけて様子を見させると町の小路の女のもとにいったことが分かる

出題ポイント

以下の6項目が何も見ずに訳すことができるか。確認してください。

  1. 見てけりとだに知られむと思ひて、書きつく。
  2. 疑はしほかに渡せるふみ見ればここやとだえにならむとすらむ
  3. むべなう、十月つごもりがたに、三夜しきりて見えぬ時あり。
  4. つれなうて、「しばしこころみるほどに」など、気色あり。
  5. さなめりと思ふに
  6. 例の家とおぼしきところにものしたり

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文学史・文学作品の確認

『蜻蛉日記』は、ジャンルとしては「日記」(仮名日記)に位置づけされます。仮名日記として最も古いものは『土佐日記』とされていますが、この作品はその次に古いものに位置づけられています。『土佐日記』の作者は紀貫之でしたから、「女流仮名日記」としては最も古いものになります。

作者は藤原道綱母(ふじわらのみちつななはは)です。作者が20歳ころの954(天暦8)年、時の右大臣藤原師輔の三男である藤原兼家から求婚されて結婚してから、974年(天延2)年に兼家の通いが途絶えるまでの21年間を描いています。

上巻中巻下巻の3巻からなる長文の日記です。
上巻は藤原兼家との結婚生活を中心に、陸奥守となって赴任する父(藤原倫寧(ともやす))との別れや、母との死などが綴られています。兼家の正妻である時姫や「町の小路の女」と呼ばれる愛人の存在などが描かれ、一夫多妻の貴族社会で、権門の貴公子を夫に迎えた作者の、女性としての苦悩がよく描かれているものになります。
また、中巻は一人息子の道綱が成長し、夫である兼家も昇進していくのですが、作者の心を満たされずに出家を決意して山に籠もる話です。結果としては、兼家や父の説得に応じて下山するのですが。
下巻では、道綱が元服しますが、夫はもうに通ってくることはほとんどありません。作者は養女と息子道綱の成長に生きがいを感じるようになります。ついに夫婦関係が絶えてしまう974(天延2)年まで、この日記は描かれます。

当時の貴族社会における一夫多妻制の婚姻制度のもとで、弱者としての妻の立場から夫婦関係を描いたものなのですが、身分の高い男性と結婚することによって社会的地位の向上を求めても、夫の足が遠ざかることや、望んでいたような身の上が実現しない苦悩があり、その感情やそれによる激しい行動を鋭い筆致によって描いてあるところに文学的価値があります。
以上が、『蜻蛉日記』の簡単な説明です。

↑タップして画像を拡大できます

練習問題(一問一答&文法問題)〈第1回〉

では、上記の内容が本当に理解できたか、実際に問題を解きながら確認してみましょう。

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「うつろひたる菊」(町の小路の女・なげきつつひとり寝る夜)テスト対策〈第2回〉

「うつろひたる菊」の後半部において、テストに出そうな内容にできるだけ絞ってお話しましょう。テスト対策は次のような流れで行うとよいでしょう。このサイトは下記の流れで解説をしています。

STEP
本文を確認する

テスト直前でもすべきことの基本は、「本文を読むこと」です。これまで学習した内容をしっかり思い出しながら読みましょう。

STEP
読みで問われやすい語を確認する

古文の問一は「よみ」の問題であることが多いですね。出題されるものは決まっているので、ここで落とさないように、しっかり確認しておくことです。

STEP
あらすじを確認する

「どのような話」か、簡単に説明できる状態にしましょう。

STEP
出題ポイントを確認する

ここでのメインになります。古文はどうしても「知識」を問う必要があるので、問われる箇所は決まってきます。それならば、「よく問われる」出題ポイントに絞って学習すれば、大きな失点は防げそうですね。このサイトでは「よく問われる」箇所のみを説明していますので、じっくり読んでみてください。

STEP
出典について確認する

いわゆる「文学史」の問題です。テスト対策としては、それほど大きな点数にはならないのですが、確実に得点したいところです。

STEP
問題演習をする

本文読解の一問一答を解答し、古典文法の問題を解答します。文法の問題は必ず出題されます。それは、直接「動詞の活用」や「助動詞の意味」を問うような問題だけでなく、現代語訳や解釈の問題などでも出題されます。必ず問題を解いて、できるようになっておきましょう。このサイトは文法事項の説明も充実しているので、詳しく知りたいときは、ぜひそれぞれの項目に進んで学習してみてください。

本文の確認

テスト直前でもすべきことの基本は、「本文を読むこと」です。これまで学習した内容をしっかり思い出しながら読みましょう。「テスト対策」はあえてふりがなをつけていません。不安な場合は、「読解のコツ」の「本文を読む」で確認してみてください。

つとめて、なほもあらじと思ひて、
嘆きつつ一人寝る夜のあくるまはいかに久しきものとかは知る
と、例よりはひきつくろひて書きて、うつろひたる菊にさしたり。かへりごと、「あくるまでも試みむとしつれど、とみなる召使の来あひたりつればなむ。いとことわりなりつるは。
げにやげに冬の夜ならぬ真木の戸もおそくあくるはわびしかりけり」
さてもいとあやしかりつるほどに事なしびたり。しばしは忍びたるさまに、「内裏に。」など言ひつつぞあるべきを、いとどしう心づきなく思ふことぞ限りなきや。

(『蜻蛉日記』より)

読みで問われやすい語

青線部の読みができるようになっておきましょう。

・いかにしきものとかは知る
・「内裏に。」など言ひつつぞあるべきを、

解答はこちら(タップで表示)

「久(しき)」は「ひさ(しい)」、「内裏」は「うち」です。今回はこの程度です。

あらすじの確認

・翌朝にこのままではいられないと和歌を詠む
・和歌をいつもより改まって書き、色褪せた菊に挿す
・兼家は夜が明るまで戸を開くのを待とうとしたが急用ができたと言い訳する
・兼家はあなたが怒るのももっともだと言って、和歌をよむ
・兼家はまた何事もなかったかのように振る舞う
・女のもとへ行くときは隠すべきなのに堂々と行く感じが気にくわない

出題ポイント

以下の5項目が何も見ずに訳すことができるか。確認してください。

  1. 嘆きつつ一人寝る夜のあくるまはいかに久しきものとかは知る
  2. うつろひたる菊にさしたり
  3. いとことわりなりつるは
  4. げにやげに冬の夜ならぬ真木の戸もおそくあくるはわびしかりけり
  5. しばしは忍びたるさまに、「内裏に。」など言ひつつぞあるべきを、いとどしう心づきなく思ふことぞ限りなきや。

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練習問題(一問一答&文法問題)〈第2回〉

では、上記の内容が本当に理解できたか、実際に問題を解きながら確認してみましょう。

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おわりに

今回は「うつろひたる菊」(町の小路の女・なげきつつひとり寝る夜)について復習していきました。夫兼家の行動やそれに対する妻の激しい感情が非常に生き生きと描かれている名場面です。1項目ずつ丁寧に理解していってください。これからも様々な古典文章を楽しんでいきましょう!

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この記事を書いた人

古文指導歴25年。「受けるだけで15点上がる」古文の先生。難しい文法用語をかみくだいて、テストに直結する形で教えるのが得意です。無料サイト「スマホで学ぶ古文」でも150記事以上を公開中。

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