はじめに

「ゆく河の流れ」の読解のポイントはどこですか?



この文章はテスト問題としては出しにくいんだけど、読んでみると美しい文章だと分かるね。「対句」が多いから、空所補充の問題が作りやすいんだよ。対句構造をしっかり理解しながら本文を読みたいね。
「ゆく河の流れ」『方丈記』テスト対策
このサイトは下記の流れで解説をしています。
何度も本文を読んでみて(できれば声に出して)、自分なりに文章の内容を想像してみます。特に初めて読むときは、分からない言葉があっても意味調べなどせずに読みます。分からない言葉がある中でも「作者がどのようなことが言いたいのか」を考えて読んでみましょう。


古文の問一は「よみ」の問題であることが多いですね。出題されるものは決まっているので、ここで落とさないように、しっかり確認しておくことです。
「どのような話」か、簡単に説明できる状態にしましょう。
「行く河の流れ」は非常に多くの対句表現が用いられています。かならず出題される箇所なので、ここで確認しておきましょう。
ここでのメインになります。古文はどうしても「知識」を問う必要があるので、問われる箇所は決まってきます。それならば、「よく問われる」出題ポイントに絞って学習すれば、大きな失点は防げそうですね。このサイトでは「よく問われる」箇所のみを説明していますので、じっくり読んでみてください。
いわゆる「文学史」の問題です。テスト対策としては、それほど大きな点数にはならないのですが、確実に得点したいところです。
step6とstep7は並行して行います。ここまでくれば、随分と読めるようになっているはずです。
本文読解の一問一答を解答し、古典文法の問題を解答します。古典文法の問題は必ず出題されます。それは、直接「動詞の活用」や「助動詞の意味」を問うような問題だけでなく、現代語訳や解釈の問題などでも出題されます。必ず問題を解いて、できるようになっておきましょう。このサイトは文法事項の説明も充実しているので、詳しく知りたいときは、ぜひそれぞれの項目に進んで学習してみてください。
本文の確認
テスト直前でもすべきことの基本は、「本文を読むこと」です。これまで学習した内容をしっかり思い出しながら読みましょう。「テスト対策」はあえてふりがなをつけていません。不安な場合は、「読解のコツ」の「本文を読む」で確認してみてください。
ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人と栖と、またかくのごとし。
たましきの都のうちに棟を並ならべ、甍を争へる、高きいやしき人の住まひは、世々を経て尽きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。あるいは去年焼けて今年作れり。あるいは大家ほろびて小家となる。住む人もこれに同じ。所も変はらず人も多かれど、いにしへ見し人は、二三十人がうちに、わづかに一人二人なり。朝に死に、夕に生まるるならひ、ただ水の泡にぞ似たりける。知らず、生まれ死ぬる人、いづ方より来たりて、いづ方へか去る。また知らず、仮の宿り、誰がためにか心を悩まし、何によりてか目を喜ばしむる。その主と栖と無常を争ふさま、いはば朝顔の露に異ならず。あるいは露落ちて花残れり。残るといへども朝日に枯れぬ。あるいは花しぼみて露なほ消えず。消えずといへども夕べを待つことなし。
(『方丈記』より)
読みで問われやすい語
青線部の読みができるようになっておきましょう。
- 世の中にある人と栖と、またかくのごとし。
- たましきの都のうちに棟を並べ、甍を争あらそへる、
- あるいは去年焼けて今年作れり。
- 朝に死に、夕べに生まるるならひ、
解答はこちら(タップで表示)
「栖」は「すみか」、「甍」は「いらか」、「去年」は「こぞ」、「朝」は「あした」です。
「こぞ」は他の文章でもよく問われます。「栖」と「甍」は現代語です。「朝」は場面によって読み方が変わります。
あらすじの確認
- ゆく川の流れは絶えることなくしかもその水はもとの水ではない
- よどみに浮かんでいる泡は一方では消え続け一方では生まれ続ける
- 世の中にある人間や住居も「川の流れ」と同じ
- 人間は都の中で建てる家の大きさを競い合う
- 一方で時間が経つとそれらの家はなくなっている
- 人間も同じで、時間が経つとその場所にはいなくなる
- 人間も建物も無常であるが、それは朝顔の露と同じだ
対句表現の確認
この文章は、多くの対句が使われています。それを挙げてみましょう。
対句一覧はこちら(タップで表示)
・かつ消え、かつ結びて
・棟を並べ、いらかを争へる
・高き、いやしき
・去年焼けて 今年作れり
・大家滅びて 小家となる
・あるいは去年焼けて今年作れり。あるいは大家滅びて 小家となる
・明日に死に、夕べに生まるる
・生まれ死ぬる
・いづかたより来たりて、いづかたへか去る
・誰がためにか心を悩まし、似によりてか目を喜ばしむる
・知らずいづかたより〜去る。知らず誰がために〜喜ばしむる。
・露落ちて、花残れり
・露落ちて、花残れり。残るといへども、朝日に枯れぬ。
・花しぼみて、露なほ消えず
・花しぼみて、露なほ消えず。消えずといへども、夕べを待つことなし。
・あるいは露落ちて〜枯れぬ。あるいは花しぼみて〜待つことなし。
実際の文章で確認してみましょう。
ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人と栖と、またかくのごとし。
たましきの都のうちに棟を並べ、甍を争へる、高きいやしき人の住まひは、世々を経て尽きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。あるいは去年焼けて今年作れり。あるいは大家ほろびて小家となる。住む人もこれに同じ。所も変はらず人も多かれど、いにしへ見し人は、二三十人がうちに、わづかに一人二人なり。朝に死に、夕べに生まるるならひ、ただ水の泡にぞ似たりける。知らず、生まれ死ぬる人、いづ方より来りて、いづ方へか去る。また知らず、仮の宿り、誰がためにか心を悩まし、何によりてか目を喜ばしむる。その主と栖と無常を争ふさま、いはば朝顔の露に異ならず。あるいは露落ちて花残れり。残るといへども朝日に枯れぬ。あるいは花しぼみて露なほ消えず。消えずといへども夕べを待つことなし。
(『方丈記』より)
以下に、空欄で抜かれやすいものを挙げていきます。
ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ( A )て、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人と栖と、またかくのごとし。
たましきの都のうちに棟を並べ、甍を争へる、高き( B )人の住まひは、世々を経て尽きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。あるいは( C )焼けて今年作れり。あるいは大家ほろびて小家となる。住む人もこれに同じ。所も変はらず人も多かれど、いにしへ見し人は、二三十人がうちに、わづかに一人二人なり。( D )に死に、夕べに( E )ならひ、ただ水の泡にぞ似たりける。知らず、生まれ死ぬる人、いづ方より来りて、いづ方へか去る。また知らず、仮の宿り、誰がためにか心を悩まし、何によりてか目を喜ばしむる。その主と栖と無常を争ふさま、いはば朝顔の露に異ならず。あるいは露落ちて花残れり。残るといへども朝日に枯れぬ。あるいは花しぼみて露なほ消えず。消えずといへども夕べを待つことなし。
A:かつ消え、かつ結びて
B:高き、いやしき
C:去年焼けて 今年作れり
D:朝に死に、E:夕べに生まるる
出題ポイント
今回は2か所です。1つは「枕詞」、もう1つは「比喩」についてです。
文学作品・文学史の確認
『方丈記』ですが、これは古典三大随筆の一つで、鴨長明が仏教的無常観に基づいて書いた、鎌倉時代前期の随筆です。『方丈記』の特徴をまとめたものを、以下に示しておきます。


練習問題(一問一答&文法問題)
では、上記の内容が本当に理解できたか、実際に問題を解きながら確認してみましょう。
おわりに
今回は『方丈記』の冒頭を復習していきました。出題者側としては、この部分は非常に問題としては出しにくい文章です。文学史・空所補充・過去、完了の助動詞などが出やすいと思いますので、重点的に学習しておくとよいと思います。「朝顔の露」のところは非常に難しいので、何がどのようにたとえられているか、何度も読んで理解してください。
読んでいただきありがとうございます!
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