「三船の才」『大鏡』読解のコツ《完全版》

※この記事では、現代語訳を要点ごとに上げています。一文ごとの品詞分解と詳しい現代語訳は品詞分解と現代語訳のページでご確認ください。

目次

はじめに

 今回は『大鏡』「三船の才(ざえ)」(三舟の才)です。『大鏡』については別のページで詳しく説明していますので、そちらをご覧ください。

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「三船の才」要点・あらすじ・現代語訳

 古文を読解する5つのコツをお話しましょう。以下の順に確認していくと以前よりも飛躍的に古文が読めるようになるはずです。飛躍的に古文が読めるようになるはずです。

STEP
本文を読む

何度も本文を読んでみて(できれば声に出して)、自分なりに文章の内容を想像してみます。特に初めて読むときは、分からない言葉があっても意味調べなどせずに読みます。分からない言葉がある中でも文章の中に「誰がいるか」「どのようなことを言っているか」「どのような行動をしているか」を考えていきます。

STEP
登場人物を確認する

本文にどのような人物が出てきているか、確認します。紙で文章を読むときは、鉛筆などで▢をつけるとよりよいでしょう。

STEP
内容を大まかに把握し、説明する

簡単でもよいので、誰かに「こんなお話」だと説明できる状態にします。ここでは、合っているかどうかは関係ありません。今の段階で、こんな話じゃないかなと考えられることが大切なのです。考えられたら、実際にこの項目をみてください。自分との違いを確認してみましょう。

STEP
理解しにくい箇所の解説を見る

古文を読んでいると、どうしても自力では分からない所がでてきます。ちなみに、教科書などでは注釈がありますが、注釈があるところは注釈で理解して構いません。それ以外のところで、多くの人が詰まるところがありますが、丁寧に解説しているので見てみてください。

STEP
改めて本文を解釈する

step4とstep5は並行して行います。きっと、随分と読めるようになっているはずです。

本文を読む

 何度も本文を読んでみて、自分なりに文章の内容を想像してみましょう。特に初めて読むときは、分からない言葉があっても意味調べなどせずに読みます。分からない言葉がある中でも文章の中に「誰がいるか」、「どのようなことを言っているか」、「どのような行動をしているか」を考えていきます。

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 ひととせ、入道殿の大井河(おほゐがは)に逍遥(せうえう)せさせ給ひしに、作文(さくもん)の船・管弦の船・和歌の船と分かたせ給ひて、その道に堪(た)へたる人々を乗せさせ給ひしに、この大納言殿の参り給へるを、入道殿、「かの大納言、いづれの船にか乗らるべき。」とのたまはすれば、「和歌の船に乗り侍らむ。」とのたまひて、詠み給へるぞかし。
  小倉
(をぐら)山嵐の風の寒ければもみぢの錦(にしき)着ぬ人ぞなき
申し受け給へるかひありてあそばしたりな。御
(おほん)自らものたまふなるは、「作文のにぞ乗るべかりける。さて、かばかりの詩を作りたらましかば、名の上がらむこともまさりなまし。口惜(くちを)しかりけるわざかな。さても、殿の『いづれにかと思ふ。』とのたまはせしになむ、我ながら心おごりせられし。」とのたまふなる。一事(ひとこと)のすぐるるだにあるに、かくいづれの道も抜け出で給ひけむは、いにしへも侍(はべ)らぬことなり。
(『大鏡』より)

登場人物の確認

・入道殿(藤原道長) 
・この大納言(藤原公任)

藤原公任(きんとう)が、漢詩・音楽(管弦)・和歌のいずれにもすぐれていたという文化人としての卓越性が描かれた話です。中心人物は上記2名ですが、「それぞれの道にすぐれた人」というのも出てきますが、話の解釈上は特に大きく関わってきません。

お話を簡単に理解(あらすじ)

・入道殿(藤原道長)が大井河(嵐山)で遊覧する
・その時、漢詩の船、音楽(管弦)の船、和歌の船と分けて、その道のすぐれた人を乗せる
・大納言(藤原公任)は和歌の船に乗る
・大納言はすぐれた和歌を詠む
・漢詩の船に乗って、これくらいの作品を作ったらもっと名声が上がったと悔しがる
・語り手の感想を述べる(大納言を称賛)

各文の品詞分解について

一文ごとの品詞分解と現代語訳は、別のページに掲載しています。ぜひそちらもご覧ください。

理解しにくい箇所の解説を見る

 本文を読んで自分で内容を考えていったときに、おそらく以下の箇所が理解しにくいと感じたでしょう。その部分を詳しく説明します。解説を読んで、理解ができたら改めて本文を解釈してみてみてください。

  • 【和歌】小倉山嵐の風の寒ければもみぢの錦着ぬ人ぞなき
  • 申し受け給へるかひありてあそばしたりな
  • かばかりの詩を作りたらましかば、名の上がらむこともまさりなまし
  • 一事のすぐるるだにあるに

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おわりに

テスト対策へ

今回は、『大鏡』の「三船の才」についてお話しました。一通り学習を終えたら、今度はテスト対策編もご覧ください。

今回の文章は「大鏡」の中でも非常に有名な箇所で、「三船の才」はさまざまな能力を併せ持つ人の例えとしても使われます。筆者も高校教員をしていたとき、勉強も一番、運動能力もめちゃくちゃ高く、音楽も上手、人柄も良くて多くの生徒に慕われて生徒会長になる、そのような生徒を教えていたことがあります。まさに「三船(四船)の才」ですね。一方、公任は政治的な部分では最高の地位まで上り詰めることはできませんでした。文化的な才能は高くても、政治的な才能は道長に劣っていたのかもしれません。

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この記事を書いた人

古文指導歴25年。「受けるだけで15点上がる」古文の先生。難しい文法用語をかみくだいて、テストに直結する形で教えるのが得意です。無料サイト「スマホで学ぶ古文」でも150記事以上を公開中。

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