「ありがたきもの」『枕草子』読解のコツ《完全版》

※この記事では、現代語訳を要点ごとに上げています。一文ごとの品詞分解と詳しい現代語訳は品詞分解と現代語訳のページでご確認ください。

目次

はじめに

 今回は『枕草子』72段「ありがたきもの」です。 『枕草子』は平安時代中期、11世紀初頭(西暦1001年ころ)に成立した、いわゆる「三大古典随筆」の一つです。『枕草子』は以下のページで詳しく解説しているので、そちらをご覧ください。

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今回の「ありがたきもの」は(1)の「類聚(類集)的章段」の一節になります。「類聚(類集)的章段」は、「〜は」で始まるものと、「〜もの」ではじまるものが多く、「ものづくし」とも呼ばれます。自然や人事を特色によって集め表現したものです。今回は「ありがたききもの」をたくさん集めています。実際の文章で確認してみましょう。

「ありがたきもの」要点・あらすじ・現代語訳

 古文を読解する6つのコツをお話しましょう。以下の順に確認していくと以前よりも飛躍的に古文が読めるようになるはずです。飛躍的に古文が読めるようになるはずです。

STEP
本文を読む

何度も本文を読んでみて(できれば声に出して)、自分なりに文章の内容を想像してみます。特に初めて読むときは、分からない言葉があっても意味調べなどせずに読みます。分からない言葉がある中でも文章の中に「誰がいるか」「どのようなことを言っているか」「どのような行動をしているか」を考えていきます。

STEP
登場人物を確認する

本文にどのような人物が出てきているか、確認します。紙で文章を読むときは、鉛筆などで▢をつけるとよりよいでしょう。

STEP
内容を大まかに把握し、説明する

簡単でもよいので、誰かに「こんなお話」だと説明できる状態にします。ここでは、合っているかどうかは関係ありません。今の段階で、こんな話じゃないかなと考えられることが大切なのです。考えられたら、実際にこの項目をみてください。自分との違いを確認してみましょう。

STEP
重要単語を確認して覚える

古文を読解する上で避けられないのは、「古文単語」を覚えることです。単語集で覚えるのもよいですが、文章の中で覚えられるともっといいですね。文章で出てきた単語は、他の文章でも使えるように解説していますので、応用を利かせたい人はぜひそこまで読んでみてくださいね。また、古文単語は意味だけでなく、その語が発生した経緯などが分かると面白いですよ。

STEP
理解しにくい箇所の解説を見る

古文を読んでいると、どうしても自力では分からない所がでてきます。ちなみに、教科書などでは注釈がありますが、注釈があるところは注釈で理解して構いません。それ以外のところで、多くの人が詰まるところがありますが、丁寧に解説しているので見てみてください。

STEP
改めて本文を解釈する

step4とstep5は並行して行います。きっと、随分と読めるようになっているはずです。

本文を読む

 何度も本文を読んでみて、自分なりに文章の内容を想像してみましょう。特に初めて読むときは、分からない言葉があっても意味調べなどせずに読みます。分からない言葉がある中でも文章の中に「誰がいるか」、「どのようなことを言っているか」、「どのような行動をしているか」を考えていきます。

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 ありがたきもの。舅(しうと)にほめらるる婿。また、姑(しうとめ)に思はるる嫁の君。毛のよく抜くる銀(しろかね)の毛抜き。主(しゆう)そしらぬ従者(ずさ)
 つゆの癖なき。かたち、心、ありさますぐれ、世に経るほど、いささかのきずなき。同じ所に住む人の、かたみに恥ぢかはし、いささかの隙
(ひま)なく用意したりと思ふが、つひに見えぬこそかたけれ。
 物語、集
(しふ)など書き写すに、本に墨つけぬ。よき草子などは、いみじう心して書けど、必ずこそきたなげになるめれ。
 男
(をとこ)(をんな)をば言はじ、女どちも、契り深くて語らふ人の、末まで仲よき人かたし。
(『枕草子』より)

登場人物の確認

 通常、「ものづくし」は、自然や人事を特色によって集め表現したものなので、物語や日記とは異なり、登場人物はあまり出てくることはありません。今回は、作者にとって「ありがたきもの」を6個並べたものであり、それぞれの項目は独立したものであるため、登場する人物を挙げることに意味がないので、ここでは挙げません。

お話を簡単に理解(あらすじ)

1舅に褒められる婿。姑に大切に思われるお嫁さん。
2毛がよく抜ける銀の毛抜き。
3主人を悪く言わない従者。
4ほんの少しの癖もない人。容貌、心、振る舞いがすぐれ、世間で生きていくうちに、少しの欠点もない人。同じ場所に住む人で、互いに相手を尊敬し合い、少しの油断もなく気をつけていると思う人が、最後まで油断や欠点が見えないこと。
5物語や、歌集などを書き写すときに、手本に墨をつけないこと。
6男と女、女同士も、最後まで仲がよい人。

ここでほぼ現代語訳になってしまっています(笑)。

各文の品詞分解について

一文ごとの品詞分解と現代語訳は、別のページに掲載しています。ぜひそちらもご覧ください。

重要古文単語の確認

本文に出てくる重要古文単語を先に確認しておきましょう。今回の文章は単語が覚えられたらほぼ理解できる文章です。

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理解しにくい箇所の解説を見る

 本文を読んで自分で内容を考えていったときに、おそらく以下の箇所が理解しにくいと感じたでしょう。その部分を詳しく説明します。解説を読んで、理解ができたら改めて本文を解釈してみてください。

  • 同じ所に住む人の、かたみに恥ぢかはし、いささかの隙なく用意したりと思ふが、
  • 男女をば言はじ、女どちも、契り深くて語らふ人の、末まで仲よき人かたし。

今回は、本文に登場する6つの「ありがたきもの」を順番に見ていきながら、特に理解しにくい箇所を①・②の項目ごとに解説していきます。

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おわりに

テスト対策へ

今回は、『枕草子』の「ありがたきもの」についてお話しました。一通り学習を終えたら、今度はテスト対策編もご覧ください。

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この記事を書いた人

古文指導歴25年。「受けるだけで15点上がる」古文の先生。難しい文法用語をかみくだいて、テストに直結する形で教えるのが得意です。無料サイト「スマホで学ぶ古文」でも150記事以上を公開中。

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