はじめに
今回は『枕草子』第九十八段、通称「中納言参り給ひて」の「読解のコツ(本文解説)」です。
『枕草子』について
『枕草子』は平安時代中期、11世紀初頭(西暦1001年ころ)に成立した、いわゆる「三大古典随筆」の一つです。『枕草子』の特徴をまとめたものを、以下に示しておきます。詳しい説明は以下をタップしてご覧ください。

今回の「中納言参り給ひて」は(3)の「日記的(回想的)章段」の一節になります。「日記的(回想的)章段」は、作者清少納言が中宮定子に仕えた華やかな宮廷生活を描いたもので、本文に「宮(中宮)」とはっきり明示されていなくても、中宮の存在を考える必要があります。また、作者清少納言は中宮には一段敬意の高い表現を使っているので、その存在はすぐに分かることになります。実際の文章で確認してみましょう。
「中納言参り給ひて」要点・あらすじ・現代語訳〈第1回〉
古文を読解する5つのコツをお話しましょう。以下の順に確認していくと以前よりも飛躍的に古文が読めるようになるはずです。
何度も本文を読んでみて(できれば声に出して)、自分なりに文章の内容を想像してみます。特に初めて読むときは、分からない言葉があっても意味調べなどせずに読みます。分からない言葉がある中でも文章の中に「誰がいるか」「どのようなことを言っているか」「どのような行動をしているか」を考えていきます。

本文にどのような人物が出てきているか、確認します。紙で文章を読むときは、鉛筆などで▢をつけるとよりよいでしょう。
簡単でもよいので、誰かに「こんなお話」だと説明できる状態にします。ここでは、合っているかどうかは関係ありません。今の段階で、こんな話じゃないかなと考えられることが大切なのです。考えられたら、実際にこの項目をみてください。自分との違いを確認してみましょう。
古文を読んでいると、どうしても自力では分からない所がでてきます。ちなみに、教科書などでは注釈がありますが、注釈があるところは注釈で理解して構いません。それ以外のところで、多くの人が詰まるところがありますが、丁寧に解説しているので見てみてください。

step4とstep5は並行して行います。きっと、随分と読めるようになっているはずです。
本文を読む
何度も本文を読んでみて、自分なりに文章の内容を想像してみましょう。特に初めて読むときは、分からない言葉があっても意味調べなどせずに読みます。分からない言葉がある中でも文章の中に「誰がいるか」、「どのようなことを言っているか」、「どのような行動をしているか」を考えていきます。今回は特に登場人物をしっかり確認し、それぞれがどのようなことを言っているか、どのような行動をしているかを考えていきましょう。

中納言(ちゆうなごん)参(まゐ)り給(たま)ひて、御扇(みあふぎ)たてまつらせ給ふに、「隆家(たかいへ)こそいみじき骨(ほね)は得(え)て侍(はべ)れ。それを張らせて参らせむとするに、おぼろけの紙はえ張るまじければ、もとめ侍るなり。」と申(まう)し給ふ。「いかやうにかある。」と問ひ聞こえさせ給へば、「すべていみじう侍り。『さらにまだ見ぬ骨のさまなり。』となむ人々申す。まことにかばかりのは見えざりつ。」と、言高(ことたか)くのたまへば、「さては、扇のにはあらで、海月(くらげ)のななり。」と聞こゆれば、「これは隆家が言(こと)にしてむ。」とて笑ひ給ふ。
(『枕草子』より)
登場人物の確認
- 中納言(藤原隆家)
- 中宮(定子)
- 作者(清少納言)
中宮も作者も本文にははっきり明示されていません。この文章が『枕草子』であるということから、中宮と作者が出てくるのは前提であると考える必要があるのです。直接は書かれなくても中宮の存在は敬語の使い方で分かります。
お話を簡単に理解(あらすじ)
- 中納言が姉である中宮のもとに参上して、扇を差し上げようとする。
- そのとき、「これとは別にすばらしい扇の骨も持っているが、平凡な紙は張れない」という。
- 中宮がどんな骨かを隆家に聞く。
理解しにくい箇所の解説を見る
本文を読んで自分で内容を考えていったときに、おそらく以下の箇所が理解しにくいと感じたでしょう。その部分を詳しく説明します。解説を読んで、理解ができたら改めて本文を解釈してみてください。
- 中納言参りたまひて、御扇奉らせたまふに、
- 隆家こそいみじき骨は得てはべれ。
- それを張らせて参らせむとするに、おぼろけの紙はえ張るまじければ、求めはべるなり。
- 「いかやうにかある。」と問ひきこえさせたまへば、
「中納言参り給ひて」読解のコツ 第2回
古文を読解する5つのコツをお話しましょう。以下の順に確認していくと以前よりも飛躍的に古文が読めるようになるはずです。
何度も本文を読んでみて(できれば声に出して)、自分なりに文章の内容を想像してみます。特に初めて読むときは、分からない言葉があっても意味調べなどせずに読みます。分からない言葉がある中でも文章の中に「誰がいるか」「どのようなことを言っているか」「どのような行動をしているか」を考えていきます。

本文にどのような人物が出てきているか、確認します。紙で文章を読むときは、鉛筆などで▢をつけるとよりよいでしょう。
簡単でもよいので、誰かに「こんなお話」だと説明できる状態にします。ここでは、合っているかどうかは関係ありません。今の段階で、こんな話じゃないかなと考えられることが大切なのです。考えられたら、実際にこの項目をみてください。自分との違いを確認してみましょう。
古文を読んでいると、どうしても自力では分からない所がでてきます。ちなみに、教科書などでは注釈がありますが、注釈があるところは注釈で理解して構いません。それ以外のところで、多くの人が詰まるところがありますが、丁寧に解説しているので見てみてください。

step4とstep5は並行して行います。きっと、随分と読めるようになっているはずです。
本文を読む
何度も本文を読んでみて、自分なりに文章の内容を想像してみましょう。特に初めて読むときは、分からない言葉があっても意味調べなどせずに読みます。分からない言葉がある中でも文章の中に「誰がいるか」、「どのようなことを言っているか」、「どのような行動をしているか」を考えていきます。今回は特に登場人物をしっかり確認し、それぞれがどのようなことを言っているか、どのような行動をしているかを考えていきましょう。

中納言(ちゆうなごん)参(まゐ)り給(たま)ひて、御扇(みあふぎ)たてまつらせ給ふに、「隆家(たかいへ)こそいみじき骨(ほね)は得(え)て侍(はべ)れ。それを張らせて参らせむとするに、おぼろけの紙はえ張るまじければ、もとめ侍るなり。」と申(まう)し給ふ。「いかやうにかある。」と問ひ聞こえさせ給へば、「すべていみじう侍り。『さらにまだ見ぬ骨のさまなり。』となむ人々申す。まことにかばかりのは見えざりつ。」と、言高(ことたか)くのたまへば、「さては、扇のにはあらで、海月(くらげ)のななり。」と聞こゆれば、「これは隆家が言(こと)にしてむ。」とて笑ひ給ふ。
かやうのことこそは、かたはらいたきことのうちに入れつべけれど、「一つな落としそ。」と言へば、いかがはせむ。
(『枕草子』より)

第1回は「問ひ聞こえさせ給へば」までだったね。
登場人物の確認
- 中納言(藤原隆家)
- 中宮(定子)
- 作者(清少納言)
中宮も作者も本文にははっきり明示されていません。この文章が『枕草子』であるということから、中宮と作者が出てくるのは前提であると考える必要があるのです。直接は書かれなくても中宮の存在は敬語の使い方で分かります。
お話を簡単に理解(あらすじ)
・中納言が姉である中宮のもとに参上して、扇を差し上げようとする。
・そのとき、「これとは別にすばらしい扇の骨も持っているが、平凡な紙は張れない」という。
・中宮がどんな骨かを隆家に聞く。
ーーーここから第2回ーーー
・中納言は得意げに、全部がすばらしい骨だ、誰も見たことがないと言う。
・清少納言が、ではそれはくらげの骨ですねと言う。
・中納言は、自分の言葉にしてしまおうと笑って言う。
・清少納言は、みっともないことだけど、仕方なくこの話を書いていると述べる。
理解しにくい箇所の解説を見る
本文を読んで自分で内容を考えていったときに、おそらく以下の箇所が理解しにくいと感じたでしょう。その部分を詳しく説明します。解説を読んで、理解ができたら改めて本文を解釈してみてください。
- ⑤さらにまだ見ぬ骨のさまなり
- ⑥かばかりのは見えざりつ
- ⑦扇のにはあらで、海月のななり
- ⑧これは隆家が言にしてむ
- ⑨かたはらいたきことのうちに入れつべけれど
- ⑩いかがはせむ



前回は中納言(隆家)がすばらしい扇の骨をもってきた時に、中宮がどのような様子の骨かと尋ねたところまででしたね。今回はその扇の骨がどれほどすばらしいものかを中納言が伝える場面です。
おわりに(テスト対策へ)
今回は、『枕草子』の「中納言参り給ひて」の後半部についてお話しました。一通り学習を終えたら、今度はテスト対策編もご覧ください。
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