「絵仏師良秀」読解のコツ《完全版》

※この記事では、現代語訳を要点ごとに上げています。一文ごとの品詞分解と詳しい現代語訳は品詞分解と現代語訳のページでご確認ください。

目次

はじめに

今回の文章は「説話」ってあるんですけど、説話って何ですか?

「説話」というのは、「説く話」だから、人が語るくらいの短くて分かりやすいお話だと考えてもらったらいいよ。短い話の中にも作者の主張や教訓などが含まれる事が多いので、そこは見逃さないようにしよう!

「絵仏師良秀」要点・あらすじ・現代語訳〈第1回〉

 古文を読解する5つのコツをお話しましょう。以下の順に確認していくと以前よりも飛躍的に古文が読めるようになるはずです。

STEP
本文を読む

何度も本文を読んでみて(できれば声に出して)、自分なりに文章の内容を想像してみます。特に初めて読むときは、分からない言葉があっても意味調べなどせずに読みます。分からない言葉がある中でも文章の中に「誰がいるか」「どのようなことを言っているか」「どのような行動をしているか」を考えていきます。

STEP
登場人物を確認する

本文にどのような人物が出てきているか、確認します。紙で文章を読むときは、鉛筆などで▢をつけるとよりよいでしょう。

STEP
内容を大まかに把握し、説明する

簡単でもよいので、誰かに「こんなお話」だと説明できる状態にします。ここでは、合っているかどうかは関係ありません。今の段階で、こんな話じゃないかなと考えられることが大切なのです。考えられたら、実際にこの項目をみてください。自分との違いを確認してみましょう。

STEP
重要単語を確認して覚える

古文を読解する上で避けられないのは、「古文単語」を覚えることです。単語集で覚えるのもよいですが、文章の中で覚えられるともっといいですね。文章で出てきた単語は、他の文章でも使えるように解説していますので、応用を利かせたい人はぜひそこまで読んでみてくださいね。また、古文単語は意味だけでなく、その語が発生した経緯などが分かると面白いですよ。

STEP
理解しにくい箇所の解説を見る

古文を読んでいると、どうしても自力では分からない所がでてきます。ちなみに、教科書などでは注釈がありますが、注釈があるところは注釈で理解して構いません。それ以外のところで、多くの人が詰まるところがありますが、丁寧に解説しているので見てみてください。

STEP
改めて本文を解釈する

step4とstep5は並行して行います。きっと、随分と読めるようになっているはずです。

本文を読む

 何度も本文を読んでみて、自分なりに文章の内容を想像してみましょう。特に初めて読むときは、分からない言葉があっても意味調べなどせずに読みます。分からない言葉がある中でも文章の中に「誰がいるか」、「どのようなことを言っているか」、「どのような行動をしているか」を考えていきます。

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 これも今は昔、絵仏師良秀(ゑぶつしりやうしう)といふありけり。家の隣より火出(い)で来(き)て、風おしおほひてせめければ、逃げ出でて大路(おほち)へ出でにけり。人のかかする仏もおはしけり。また、衣(きぬ)(き)ぬ妻子(めこ)なども、さながら内にありけり。それも知らず、ただ逃げ出でたるをことにして、向かひのつらに立てり。
 見れば、すでに我が家に移りて、煙
(けぶり)、炎(ほのほ)、くゆりけるまで、おほかた、向かひのつらに立ちて眺めければ、「あさましきこと。」とて、人ども来(き)とぶらひけれど、騒がず。「いかに」と人言ひければ、向かひに立たちて、家の焼くるを見て、うちうなづきて、時々笑ひけり。
ーーー(ここから第2回)ーーー
「あはれ、しつるせうとくかな。年(とし)ごろはわろくかきけるものかな。」と言ふときに、とぶらひに来(き)たる者ども、「こはいかに、かくては立ちたまへるぞ。あさましきことかな。物のつきたまへるか。」と言ひければ、「なんでふ物のつくべきぞ。年ごろ不動尊(ふどうそん)の火炎(くわえん)をあしくかきけるなり。今見れば、かうこそ燃えけれと、心得(こころえ)つるなり。これこそ、せうとくよ。この道を立てて世にあらむには、仏だによくかきたてまつらば、百千(ひやくせん)の家も出いで来(き)なむ。わたうたちこそ、させる能(のう)もおはせねば、物をも惜(を)しみたまへ。」と言ひて、あざ笑ひてこそ立てりけれ。
 その後
(のち)にや、良秀がよぢり不動とて、今に人々めであへり。
(『宇治拾遺物語』より)

 文章を読むことができたら、下の「登場人物の確認」「内容を簡単に理解」を読んで、自分の理解と合っていたかを確認します。

登場人物の確認

  • 絵仏師良秀
  • (良秀を見舞う)人ども
  • 人々(後の時代の人)

自宅の燃えた良秀が、周りの人々と話す形式を取っています。最後に出てくる「人々」は良秀が亡くなった後の時代の人です。

お話を簡単に理解(あらすじ)

  • 絵仏師良秀の家の隣から出火して、自分の家に燃え移りそうなので、大路へ逃げた
  • 家の中には制作中の仏の絵と妻子が残っているのもかかわらず、向かい側で立っている
  • 自分の家が燃えているのを良秀が眺めていると、周囲の人が慰めてくれる
  • 良秀は慌てず騒がず、時々うなずいては笑っている
  • 良秀「今まで下手くそに絵を描いていたものだ」
  • 周囲の人は、良秀に正気を失ったかと言うが、良秀は反論する

理解しにくい箇所の解説

  本文を読んで自分で内容を考えていったときに、おそらく以下の箇所が理解しにくいと感じたでしょう。その部分を詳しく説明します。解説を読んで、理解ができたら改めて本文を解釈してみてください。

  • 人のかかする仏もおはしけり
  • 衣着ぬ妻子なども、さながら内にありけり
  • 「あさましきこと。」とて、人ども来とぶらひけれど
  • 「いかに」と人言ひければ

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「絵仏師良秀」読解のコツ 第2回

本文を読む

 前回の範囲の内容をしっかり思い出しながら、本文をじっくり読んでみましょう。

↑タップして画像を拡大できます

 これも今は昔、絵仏師良秀(ゑぶつしりやうしう)といふありけり。家の隣より火出(い)で来(き)て、風おしおほひてせめければ、逃げ出でて大路(おほち)へ出でにけり。人のかかする仏もおはしけり。また、衣(きぬ)(き)ぬ妻子(めこ)なども、さながら内にありけり。それも知らず、ただ逃げ出でたるをことにして、向かひのつらに立てり。
 見れば、すでに我が家に移りて、煙
(けぶり)、炎(ほのほ)、くゆりけるまで、おほかた、向かひのつらに立ちて眺めければ、「あさましきこと。」とて、人ども来(き)とぶらひけれど、騒がず。「いかに」と人言ひければ、向かひに立たちて、家の焼くるを見て、うちうなづきて、時々笑ひけり。
ーーー(ここから第2回)ーーー
「あはれ、しつるせうとくかな。年(とし)ごろはわろくかきけるものかな。」と言ふときに、とぶらひに来(き)たる者ども、「こはいかに、かくては立ちたまへるぞ。あさましきことかな。物のつきたまへるか。」と言ひければ、「なんでふ物のつくべきぞ。年ごろ不動尊(ふどうそん)の火炎(くわえん)をあしくかきけるなり。今見れば、かうこそ燃えけれと、心得(こころえ)つるなり。これこそ、せうとくよ。この道を立てて世にあらむには、仏だによくかきたてまつらば、百千(ひやくせん)の家も出いで来(き)なむ。わたうたちこそ、させる能(のう)もおはせねば、物をも惜(を)しみたまへ。」と言ひて、あざ笑ひてこそ立てりけれ。
 その後
(のち)にや、良秀がよぢり不動とて、今に人々めであへり。
(『宇治拾遺物語』より)

登場人物の確認

  • 絵仏師良秀  
  • (良秀を見舞う)人ども  
  • 人々(後の時代の人)

自宅が燃えた良秀が、周りの人々と話す形式を取っています。最後に出てくる「人々」は良秀が亡くなった後の時代の人です。

お話を簡単に理解

第一段落
・絵仏師良秀の家の隣から出火して、自分の家に燃え移りそうなので、大路へ逃げた
・家の中には制作中の仏の絵と妻子が残っているのもかかわらず、向かい側で立っている
第二段落
・自分の家が燃えているのを良秀が眺めていると、周囲の人が慰めてくれる
・良秀は慌てず騒がず、時々うなずいては笑っている
ーーー(ここから第2回)ーーー
・良秀「今まで下手くそに絵を描いていたものだ」
・周囲の人は、良秀に正気を失ったかと言うが、良秀は反論する
・今まで火炎を背にする不動尊の絵を上手く描けていなかったが、この火事で描き方が分かった
・良秀は絵仏師の道で生計を立てるなら、仏の絵をうまく描けばよいと言う
・後の時代に、「良秀の描いた『よぢり不動』」と人々が称賛する

理解しにくい箇所の解説を見る

  本文を読んで自分で内容を考えていったときに、おそらく以下の箇所が理解しにくいと感じたでしょう。その部分を詳しく説明します。解説を読んで、理解ができたら改めて本文を解釈してみてください。

ごろはわろくかきけるものかな
⑥こはいかに、かくては立ちたまへるぞ
⑦なんでふ物のつくべきぞ
⑧かうこそ燃えけれと、心得つるなり
⑨仏だによくかきたてまつらば、百千の家も出で来なむ
⑩その後にや、良秀がよぢり不動とて、今に人々めであへり。(き

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おわりに(テスト対策へ)

今回は、「絵仏師良秀」の後半部についてお話しました。一通り学習を終えたら、今度はテスト対策編もご覧ください。

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この記事を書いた人

古文指導歴25年。「受けるだけで15点上がる」古文の先生。難しい文法用語をかみくだいて、テストに直結する形で教えるのが得意です。無料サイト「スマホで学ぶ古文」でも150記事以上を公開中。

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