はじめに
今回は『伊勢物語』第一段です。多くの教科書が「初冠」という題名で載せています。まずは、「伊勢物語」について、簡単に説明しておきましょう。
『伊勢物語』について
「伊勢物語」は、ジャンルとしては「歌物語」に位置づけされます。「歌物語」というのは、文字通りお話の中に「和歌」が含まれるものということですが、「作り物語」と異なるのは「和歌」を中心としてお話が作られていることが特徴だということです。つまり、前後の文章はすべて「和歌」のために存在すると言っても過言ではありません。そのため、作り物語以上に和歌の解釈が大切になります。
では、具体的に「伊勢物語」についてですが、実は作者も詳しい成立年代も分かっていません。平安時代に成立し、「竹取物語」よりはやや新しいのではないかと言われています。
文章は一つ一つのお話が短く、「昔、男〜」で始まることが多いのが特徴です。この「男」は在原業平がモデルであると考えられ、この男の人生を描いたような形をとっています。他の作品に「在五中将の日記」「在五が物語」などと書かれています。「在五」とは在原業平のことを指すので、在原業平がモデルだと言われるのです。在原業平は色男で有名なので、『伊勢物語』は色恋沙汰の話が多いと思っていたらよいでしょう。
読解には、それくらいの知識があれば大丈夫でしょう。「歌物語」と言われると、大きく3つの作品がありますので、ついでに見ておいてもらえればと思います。

「初冠」『伊勢物語』要点・あらすじ・現代語訳
古文を読解する5つのコツをお話しましょう。以下の順に確認していくと以前よりも飛躍的に古文が読めるようになるはずです。
何度も本文を読んでみて(できれば声に出して)、自分なりに文章の内容を想像してみます。特に初めて読むときは、分からない言葉があっても意味調べなどせずに読みます。分からない言葉がある中でも文章の中に「誰がいるか」「どのようなことを言っているか」「どのような行動をしているか」を考えていきます。

本文にどのような人物が出てきているか、確認します。紙で文章を読むときは、鉛筆などで▢をつけるとよりよいでしょう。
簡単でもよいので、誰かに「こんなお話」だと説明できる状態にします。ここでは、合っているかどうかは関係ありません。今の段階で、こんな話じゃないかなと考えられることが大切なのです。考えられたら、実際にこの項目をみてください。自分との違いを確認してみましょう。
古文を読んでいると、どうしても自力では分からない所がでてきます。ちなみに、教科書などでは注釈がありますが、注釈があるところは注釈で理解して構いません。それ以外のところで、多くの人が詰まるところがありますが、丁寧に解説しているので見てみてください。

step4とstep5は並行して行います。きっと、随分と読めるようになっているはずです。
本文を読む
何度も本文を読んでみて、自分なりに文章の内容を想像してみましょう。特に初めて読むときは、分からない言葉があっても意味調べなどせずに読みます。分からない言葉がある中でも文章の中に「誰がいるか」、「どのようなことを言っているか」、「どのような行動をしているか」を考えていきます。

昔、男、初冠(うひかうぶり)して、平城(なら)の京(きやう)、春日(かすが)の里(さと)にしるよしして、狩りに往(い)にけり。その里に、いとなまめいたる女はらから住みけり。この男、垣間見(かいまみ)てけり。思(おも)ほえず、古里(ふるさと)にいとはしたなくてありければ、心地(ここち)惑(まど)ひにけり。男の着たりける狩衣(かりぎぬ)の裾(すそ)を切りて、歌を書きてやる。その男、しのぶずりの狩衣をなむ着たりける。
春日野の若紫(わかむらさき)のすり衣(ごろも)しのぶの乱れ限り知られず
となむ追ひつきて言ひやりける。ついでおもしろきことともや思ひけむ。
みちのくのしのぶもぢずり誰(たれ)ゆゑに乱(みだ)れそめにし我ならなくに
といふ歌の心ばへなり。昔人(むかしびと)は、かくいちはやきみやびをなむしける。
(『伊勢物語』より)
文章を読むことができたら、下の「登場人物の確認」「内容を簡単に理解」を読んで、自分の理解と合っていたかを確認します。
登場人物の確認
- 男
- 女はらから
お話を簡単に理解(あらすじ)
- 男が元服して、奈良の春日に狩りに出かけた
- そこに美しい姉妹が住んでいた
- 男はその姉妹をのぞき見ると、その美しさに心が乱れてしまう
- 男は、着ていた服の裾を切って和歌を書いて姉妹に送る
- その和歌は源融の和歌の趣向を踏まえたものであった。
- 当時の男性はそのような熱烈な風流事をしていたのだ。
各文の品詞分解について
一文ごとの品詞分解と現代語訳は、別のページに掲載しています。ぜひそちらもご覧ください。
理解しにくい箇所の解説を見る
本文を読んで自分で内容を考えていったときに、おそらく以下の箇所が理解しにくいと感じたでしょう。その部分を詳しく説明します。解説を読んで、理解ができたら改めて本文を解釈してみてください。
- 昔、男初冠して、
- いとなまめいたる女はらから
- 古里にいとはしたなくて
- 春日野の若紫のすり衣しのぶの乱れ限り知られず
- ついでおもしろきこと
- みちのくのしのぶもぢずりたれゆゑに乱れそめにし我ならなくに
おわりに
テスト対策へ
今回は、『伊勢物語』「初冠」についてお話しました。一通り学習を終えたら、今度はテスト対策編もご覧ください。
読んでいただきありがとうございます!
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