はじめに
『伊勢物語』第六段です。多くの教科書が「芥川」という題名で載せています。多くの人がこの文章で初めて『伊勢物語』に触れるでしょうから、まずは、『伊勢物語』について、簡単に説明しておきましょう。
『伊勢物語』について
「伊勢物語」は、ジャンルとしては「歌物語」に位置づけされます。「歌物語」というのは、文字通りお話の中に「和歌」が含まれるものということですが、「作り物語」と異なるのは「和歌」を中心としてお話が作られていることが特徴だということです。つまり、前後の文章はすべて「和歌」のために存在すると言っても過言ではありません。そのため、作り物語以上に和歌の解釈が大切になります。
では、具体的に「伊勢物語」についてですが、実は作者も詳しい成立年代も分かっていません。平安時代に成立し、「竹取物語」よりはやや新しいのではないかと言われています。
文章は一つ一つのお話が短く、「昔、男〜」で始まることが多いのが特徴です。この「男」は在原業平がモデルであると考えられ、この男の人生を描いたような形をとっています。他の作品に「在五中将の日記」「在五が物語」などと書かれています。「在五」とは在原業平のことを指すので、在原業平がモデルだと言われるのです。在原業平は色男で有名なので、『伊勢物語』は色恋沙汰の話が多いと思っていたらよいでしょう。
読解には、それくらいの知識があれば大丈夫でしょう。「歌物語」と言われると、大きく3つの作品がありますので、ついでに見ておいてもらえればと思います。

「芥川」要点・あらすじ・現代語訳〈第1回〉
古文を読解する5つのコツをお話しましょう。以下の順に確認していくと以前よりも飛躍的に古文が読めるようになるはずです。
何度も本文を読んでみて(できれば声に出して)、自分なりに文章の内容を想像してみます。特に初めて読むときは、分からない言葉があっても意味調べなどせずに読みます。分からない言葉がある中でも文章の中に「誰がいるか」「どのようなことを言っているか」「どのような行動をしているか」を考えていきます。

本文にどのような人物が出てきているか、確認します。紙で文章を読むときは、鉛筆などで▢をつけるとよりよいでしょう。
簡単でもよいので、誰かに「こんなお話」だと説明できる状態にします。ここでは、合っているかどうかは関係ありません。今の段階で、こんな話じゃないかなと考えられることが大切なのです。考えられたら、実際にこの項目をみてください。自分との違いを確認してみましょう。
古文を読んでいると、どうしても自力では分からない所がでてきます。ちなみに、教科書などでは注釈がありますが、注釈があるところは注釈で理解して構いません。それ以外のところで、多くの人が詰まるところがありますが、丁寧に解説しているので見てみてください。

step4とstep5は並行して行います。きっと、随分と読めるようになっているはずです。
本文を読む
何度も本文を読んでみて、自分なりに文章の内容を想像してみましょう。特に初めて読むときは、分からない言葉があっても意味調べなどせずに読みます。分からない言葉がある中でも文章の中に「誰がいるか」、「どのようなことを言っているか」、「どのような行動をしているか」を考えていきます。

昔、男ありけり。女のえ得(う)まじかりけるを、年を経てよばひわたりけるを、からうじて盗み出(い)でて、いと暗きに来けり。芥川(あくたがは)といふ川を率(ゐ)て行(ゆ)きければ、草の上に置きたりける露を、「かれは何ぞ。」となむ男に問ひける。行く先多く、夜(よ)も更(ふ)けにければ、鬼(おに)ある所とも知らで、神(かみ)さへいといみじう鳴り、雨もいたう降りければ、あばらなる蔵(くら)に、女をば奥に押し入(い)れて、男、弓・胡籙(やなぐひ)を負(お)ひて戸口(とぐち)に居(を)り。はや夜(よ)も明(あ)けなむと思ひつつ居(ゐ)たりけるに、鬼はや一口(ひとくち)に食ひてけり。「あなや。」と言ひけれど、神(かみ)鳴(な)る騒ぎにえ聞かざりけり。やうやう夜(よ)も明(あ)けゆくに、見れば、率(ゐ)て来(こ)し女もなし。足ずりをして泣けどもかひなし。
白玉(しらたま)か何(なに)ぞと人の問ひしとき露と答へて消えなましものを
(『伊勢物語』より)
文章を読むことができたら、下の「登場人物の確認」「内容を簡単に理解」を読んで、自分の理解と合っていたかを確認します。
登場人物の確認
- 男
- 女
基本的には「男」と「女」の二人です。「堀河の大臣」「太郎国経の大納言」という人物が、上記の文の後に出てきます。
お話を簡単に理解(あらすじ)
- 男が簡単には自分のものにできそうにない女を長年求婚し続ける
- 男は女を家から連れ出す
- 芥川という川のほとりで、女は草の上に置く露を「何か」と尋ねる
今回は物語なので人物の動きや展開を把握することが大事になります。ある程度古文が読めるようになっても、ところどころ訳しにくい場所がありますので、そのあたりは飛ばして全体的に内容が分かるという状態にしていきましょう。
理解しにくい箇所の解説を見る
本文を読んで自分で内容を考えていったときに、おそらく以下の箇所が理解しにくいと感じたでしょう。その部分を詳しく説明します。解説を読んで、理解ができたら改めて本文を解釈してみてください。
- 昔、男ありけり
- 女のえ得まじかりけるを
- 年を経てよばひわたりけるを
「芥川」読解のコツ 第2回
では、続きを読んでいきましょう。古文を読解する5つのコツをお話しましょう。以下の順に確認していくと以前よりも飛躍的に古文が読めるようになるはずです。
何度も本文を読んでみて(できれば声に出して)、自分なりに文章の内容を想像してみます。特に初めて読むときは、分からない言葉があっても意味調べなどせずに読みます。分からない言葉がある中でも文章の中に「誰がいるか」「どのようなことを言っているか」「どのような行動をしているか」を考えていきます。

本文にどのような人物が出てきているか、確認します。紙で文章を読むときは、鉛筆などで▢をつけるとよりよいでしょう。
簡単でもよいので、誰かに「こんなお話」だと説明できる状態にします。ここでは、合っているかどうかは関係ありません。今の段階で、こんな話じゃないかなと考えられることが大切なのです。考えられたら、実際にこの項目をみてください。自分との違いを確認してみましょう。
古文を読んでいると、どうしても自力では分からない所がでてきます。ちなみに、教科書などでは注釈がありますが、注釈があるところは注釈で理解して構いません。それ以外のところで、多くの人が詰まるところがありますが、丁寧に解説しているので見てみてください。

step4とstep5は並行して行います。きっと、随分と読めるようになっているはずです。
本文を読む

昔、男ありけり。女のえ得(う)まじかりけるを、年を経てよばひわたりけるを、からうじて盗み出(い)でて、いと暗きに来けり。芥川(あくたがは)といふ川を率(ゐ)て行(ゆ)きければ、草の上に置きたりける露を、「かれは何ぞ。」となむ男に問ひける。行く先多く、夜(よ)も更(ふ)けにければ、鬼(おに)ある所とも知らで、神(かみ)さへいといみじう鳴り、雨もいたう降りければ、あばらなる蔵(くら)に、女をば奥に押し入(い)れて、男、弓・胡籙(やなぐひ)を負(お)ひて戸口(とぐち)に居(を)り。はや夜(よ)も明(あ)けなむと思ひつつ居(ゐ)たりけるに、鬼はや一口(ひとくち)に食ひてけり。「あなや。」と言ひけれど、神(かみ)鳴(な)る騒ぎにえ聞かざりけり。やうやう夜(よ)も明(あ)けゆくに、見れば、率(ゐ)て来(こ)し女もなし。足ずりをして泣けどもかひなし。
白玉(しらたま)か何(なに)ぞと人の問ひしとき露と答へて消えなましものを
(『伊勢物語』より)
前回は「かれは何ぞ。」となむ男に問ひける」まで読みました。今回はその続きです。
登場人物の確認
- 男
- 女
- (堀河の大臣 太郎国経の大納言)
基本的には「男」と「女」の二人です。「堀河の大臣」「太郎国経の大納言」は、上記の文の後に出てきます。
お話を簡単に理解(あらすじ)
- 男が簡単には自分のものにできそうにない女を長年求婚し続ける
- 男は女を家から連れ出す
- 芥川という川のほとりで、女は草の上に置く露を「何か」と尋ねる
- ーーー(ここから第二回)ーーー
- 夜になって雷も鳴り雨も強く降るので、女を蔵に入れて男は玄関を守る
- 蔵に鬼が出て、女を一口で食べてしまうが、男は雷の音で気づかない
- 夜が明けて蔵の中をのぞくと女はいなくなっており、男は嘆き悲しんで和歌を詠む
今回は物語なので人物の動きや展開を把握することが大事になります。第一回で、「女」を連れ出した「男」が一夜を過ごすために、女を蔵の中に入れて、自分は外で門番をするというところまでお話しました。今回はそこからお話を始めていきます。
理解しにくい箇所の解説を見る
本文を読んで自分で内容を考えていったときに、おそらく以下の箇所が理解しにくいと感じたでしょう。その部分を詳しく説明します。解説を読んで、理解ができたら改めて本文を解釈してみてください。
- ④神さへいといみじう鳴り
- ⑤はや夜も明けなむ
- ⑥白玉か何ぞと人の問ひし時露と答へて消えなましものを
おわりに(テスト対策へ)
テスト対策へ
今回は、『伊勢物語』の「芥川」についてお話しました。一通り学習を終えたら、今度はテスト対策編もご覧ください。
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