- 助動詞「る」「らる」の現代語との共通点と相違点が分かる!
- 助動詞「る」「らる」の接続の違いが分かる!
- 助動詞「る」「らる」の活用の仕方の共通点が分かる!
- 助動詞「る」「らる」の4つの意味の見分ける方法が分かる!
- 助動詞「る」「らる」に関する基本的な問題が解けるようになる!
はじめに

助動詞の「る」「らる」って今の「れる」「られる」ですよね。でも、文章の中で出てくると、どの意味になるか分からないんですよ。



助動詞「る」「らる」はある程度の意味の見分け方があるから、それを知ったうえで、様々な文を使って意味を仕分けしてみよう!
助動詞「る」「らる」の学習ポイント|接続・活用・意味
今回学習することの要点を示します。




助動詞「る」「らる」について
助動詞「る」「らる」は、助動詞を学ぶ際にも割と早めに出てきます。その理由は「現代語に近い」からです。現代語の「れる」「られる」が分かっていたらスムーズに理解できます。まずは、現代語の「れる」「られる」を整理して、そこから古文文法の「る」「らる」を詳しく見ていきましょう。
現代語との共通点と相違点
まず、現代語の「れる」「られる」を理解するために、以下の例文を見てください。


- 友達に笑われる。
- 先生が話される。
- 子供のことが案じられる。
- 忙しくて行かれない。
・「友達に笑われる」は「友達」という対象に「笑う」という行為を「される」と理解すればようでしょう。つまり「誰かに〜される」ということです。自分の意志ではなく他者から何かを受けるという意味でこれを「受身」といいます。文法用語では送り仮名は表記せず「受身」と書きます。
・「先生が話される」は主語である「先生」が目上の人なので、その先生を敬うものとして「れる」が使われています。これを文法用語で「尊敬」と読んでいます。ついでにいうと、我々は目上の者は敬うのが習慣となっていますので、自分の意志というよりは、自然とそのようなことを行っています。
・「子供のことが案じられる」は「子供のことを思わず心配してしまう」という意味で、自分の意志ではなく自然とその気持ちが出てしまうことを表します。これを文法用語で「自発」といいます。
・「忙しくて行かれない」は「忙しいので行くことができない」と、「ない」を含めて「不可能」の意味を表しています。「ない」を除くと、「れ」は「可能」の意味を持っていると言えます。よって、これを「可能」と表現します。実は、これも「忙しい」という環境によって、自分の意志ではなく「行く」という行為ができないということを表しています。
つまり、「れる」「られる」に4つも意味がありますが、もともとはすべて「自分の意志ではなく〜である」ということが派生したものなのです。これを覚える必要はありませんが、多くの意味を持つ助動詞は、「もとの大きな意味」を知っておくと、読解で意味を取り違えることは少なくなりますよ。
以上から、「れる」「られる」には、「受身」「尊敬」「自発」「可能」の4つの意味を持っているということがわかればよいでしょう。
実は、古文文法の「る」「らる」もほぼ同じで、「れる」「られる」が下一段活用をするのに対し、「る」「らる」が下二段活用をするという違いがある他は、原則同じものとして理解しておいて構いません。
接続・活用表・意味
次に、古文の例文を4つ見ていきましょう。
- (例文1)ありがたきもの、舅にほめらるる婿。(めったにないもの、舅に褒められる婿)
- (例文2)上人、馬をひき返して逃げられけり。(上人は、馬を引き返してお逃げになった)
- (例文3)人知れずうち泣かれぬ。(人知れず(思わず)泣いてしまった)
- (例文4)変はりゆくありさま目もあてられず。(変わりゆく様子は目も当てることができない)
例文1〜4は現代語の「れる」「られる」の説明でも行った通り、4つの意味があることに従うならば、例文1が「受身」、例文2が「尊敬」、例文3が「自発」、例文4が「可能」になると考えられます。


「る」「らる」の文法的意味
「受身」(ーー(さ)れる)
「尊敬」(おーーになる/
ーーなさる)
「自発」(自然とーーする)
(思わずーーする)
「可能」(ーーできる)
次に、「接続」を考えます。接続とは「直前の活用語が何形になるか」を考えればよかったですね。例文を見ると、1,2,4は助動詞「らる」が活用したもの、3が助動詞「る」の活用したものになっています。後で説明しますが、接続は「る」で考えたほうが分かりやすいので、3を中心に見ていきます。
「泣かれぬ」の「泣か」はカ行四段活用の動詞で、未然形になっています。つまり、「る」は未然形に接続することが分かります。同じ意味を表す「らる」も同じように未然形接続です。では、両者の違いは何なのでしょうか。
実は、「る」は四段活用・ナ行変格活用・ラ行変格活用にしか接続しません。この3つに共通する点は分かりますか。



「書か」と「死な」と「あら」だね。共通点は……?
答えは、未然形が「ア段」であるということです。つまり、「る」は直前が「ア段」のものしか接続しないのです。未然形が「ア段」ではない他の活用が来た時は、直前を無理やり「ア段」にするため、「る」の手前に「ら」をつける、つまり「らる」にするということになります。


まとめると、以下の通りです。
「る」「らる」の接続
「る」は四段活用・ナ行変格活用・ラ行変格活用(未然形がア段)の未然形に接続する
「らる」は上記以外(未然形がイ段・エ段・オ段)の未然形に接続する
次に、活用表を見ていきます。助動詞の活用を学ぶ時には、用言の活用がとても役に立ちます。それは、多くの助動詞が用言と同じ活用をするからです。ですので、用言の知識がまだ不十分だと思われる人はぜひ用言をもう一度学習してみてください。
「る」「らる」の活用形は動詞の下二段活用と同じです。これを「下二段型の助動詞」といいますので、こちらも理解しておいてください。
「る」「らる」の活用=下二段型
意味の見分け方の目安
助動詞「る」「らる」は割と初期に学びますが、意味の判別は難しいです。文章の前後を読んで、ここで使われている意味を推測していかなけらばならないからです。つまり、読む力がつかないと意味の識別はままならないというわけです。とはいえ、多少なりとも識別する目安というものはありますので、ここから説明していきます。繰り返しますが、これで100%識別できるというものではないことに注意していください。


「受身」の可能性を探る際は、受身の対象があるか、つまり「誰かに」があるかを考えます。もちろん省略されている場合もありますので、その際は自分で補います。
「尊敬」は、「受身」「自発」「可能」の可能性を考えた後に行います。
「自発」は、以下の動詞を伴っている場合が多いです。つまり、以下の動詞に「る」(「らる」)がついていたら、自発の可能性が高いということです。
「思ふ」「泣く」「嘆く」「待つ」+「る」(らる)は「自発」になりやすい



「思ふ」「泣く」「嘆く」「待つ」を覚えよう!他にも、感情を表す動詞に「る」(らる)がつくと自発になりやすいよ。
「可能」は原則として下に打ち消し語(「ず」など)を伴います。ということは、「〜ことができない」でしか「る」「らる」の「可能」は使用されないということです。
ただ、平安時代の古典文法ではそれで十分見分けられるのですが、鎌倉時代以降はだんだんとそのルールもうやむやになってきます。
最後に、改めて「尊敬」を考えます。
尊敬は、原則として主語が「貴人」(身分の高い者)かを考えます。会話文のときはそうでないこともあります。さらに、尊敬の動詞とともに使用されて、二重尊敬を作ることもよくあります。これで出てくるのは圧倒的に「仰せらる」が多いです。あと、補足事項ですが、「〜(ら)れ給ふ」など、「る」「らる」に尊敬語を伴うとき、「る」「らる」は尊敬にはなりません。
以上が見分け方の目安です。繰り返しますが、この目安はあくまで原則論としてとらえ、実際は文章の中で意味を判断してください。
「る」「らる」の説明は以上です、次にどれだけ分かったか、簡単な問題をやってみましょう。
テスト対策(練習問題)
助動詞「る」「らる」について理解ができたか、実際の問題を通して確認していきましょう。
一問一答3選(超基礎編)
1. 「る」「らる」の接続は?
2. 「る」「らる」の文法的意味を4つ答えなさい。
3. 「雨に降らる」の「る」の文法的意味は?
解答(タップで表示)
1.未然形 2.受身・尊敬・自発・可能 3.受身
接続・活用の問題
おわりに
以上で助動詞「る」「らる」は終わりです。結局のところ「受身・尊敬・自発・可能」は文章の中で判断しなければならないので、はじめの方に学ぶ割には最後まで手こずる助動詞になります。基本を押さえたら、あとは文章の中で一つ一つ理解していくようにしていきましょう。次回は「す」「さす」「しむ」です。
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